第102章 ゴシップ屋

「でも由衣、いつから庄司夏とそんなに仲良くなったの?今日は担任の前で助けてくれただけじゃなくて、藤原雪の平手打ちまで受け止めてくれたって聞いたわよ!」沢田夢子は探るように尋ねた。

以前の加瀬東の一件はあれほど大きな騒ぎになったのに何の効果もなかったので、庄司夏が雨宮由衣に対して特別な態度を取っているとしても、この件を庄司輝弥に告げ口しても意味があるのかどうか確信が持てなかった。

庄司輝弥が雨宮由衣に対してますます甘くなっているとは思いもよらなかった。あるいは、他の人なんて庄司輝弥の目には入っておらず、黒田悦男だけが気になる存在なのかもしれない?

実は……

沢田夢子は完全に勘違いしていた。某氏は東アジア一の嫉妬王で、加瀬東という人間どころか、一匹の犬でさえ、雨宮由衣が何度も撫でただけで、某氏はきっと犬叩き棒を振り回すことだろう。

「それはもちろん庄司夏が優しい人だからよ!」雨宮由衣は掲示板の元の言葉をそのまま返した。

沢田夢子は即座に言葉に詰まり、警告するように言った。「とにかく気をつけた方がいいわ。庄司夏のファンの女の子たちはたくさんいるから、きっとあなたを狙ってくるわ。特にあの藤原雪よ!この掲示板の投稿も、きっと藤原雪があなたへの仕返しで書いたんでしょう!」

雨宮由衣は心の中で冷笑した。いい人のふりをしながら他人に濡れ衣を着せるなんて、なかなかの手際だ。

「分かったわ、気をつけるわ。寮に戻るから、バイバイ~」

沢田夢子は雨宮由衣の去っていく背中を見つめながら、顔中に怒りを浮かべた。

以前は雨宮由衣が不興を買って錦園に住む資格を失ったのかもしれないと喜んでいたのに、今では雨宮由衣が錦園に住んでいないせいで、自分も庄司輝弥に近づく機会がなくなってしまったことに悩んでいた。

庄司輝弥はきっと忙しすぎて都合が悪いのだろう、彼女の電話に一度も出たことがない。試しにメールで誘おうとしたこともあったが、メッセージは全て石沈大海。時には自分が雨宮由衣の情報を伝える機械のように感じることさえあった。雨宮由衣に関する情報にしか、庄司輝弥は反応を示さないのだから。

この感じは本当に最悪だった!

沢田夢子の対応を終えた後、雨宮由衣は裏口から出て、学校の門前のネットカフェに入った。

個室を見つけて座り、清風の学校掲示板にログインしようとした。