第102章 ゴシップ屋

「でも由衣、いつから庄司夏とそんなに仲良くなったの?今日は担任の前で助けてくれただけじゃなくて、藤原雪の平手打ちまで受け止めてくれたって聞いたわよ!」沢田夢子は探るように尋ねた。

以前の加瀬東の一件はあれほど大きな騒ぎになったのに何の効果もなかったので、庄司夏が雨宮由衣に対して特別な態度を取っているとしても、この件を庄司輝弥に告げ口しても意味があるのかどうか確信が持てなかった。

庄司輝弥が雨宮由衣に対してますます甘くなっているとは思いもよらなかった。あるいは、他の人なんて庄司輝弥の目には入っておらず、黒田悦男だけが気になる存在なのかもしれない?

実は……

沢田夢子は完全に勘違いしていた。某氏は東アジア一の嫉妬王で、加瀬東という人間どころか、一匹の犬でさえ、雨宮由衣が何度も撫でただけで、某氏はきっと犬叩き棒を振り回すことだろう。