第103話 証拠写真あり、真相あり

投稿が上がるやいなや、雨宮由衣は沢田夢子の支持者たちから集中砲火を浴びた。見覚えのあるIDの多くは、由衣を叩いていた前のスレッドから来ていた。その夜の状況を目撃したという数人のユーザーも、複数の荒らしに徹底的に叩かれ、デマを流すアンチだと決めつけられた。

芸能界のルールでは、真実は重要ではない。世論を掌握した者が勝者となる。今の状況もまさにそうだった。

だからこそ沢田夢子は平気で嘘をついて自分を正当化できたのだ。

雨宮由衣は焦ることなく、静かに彼らの罵倒を見守っていた。

名無し:「ふん、スレ主が出てこなくなったね!」

輝弥大好き:「デマを流して事を荒立てる、こういう輩は見慣れてるよ!」

……

みんなが散々叩き終わり、このスレッドがデマだと決めつけられ、沈みかけたところで、雨宮由衣は一本の動画を投稿した。

一昨日の夜、沢田夢子が江川麗子と言い争っているときの様子を、彼女はこっそり撮影していたのだ。

沢田夢子の根拠のない投稿と比べて、彼女の投稿には映像による証拠があった。

清風学園の掲示板では、彼女という清風一の不細工についての噂が毎日のように上がっていた。真偽問わず絶え間なかった。

特に庄司夏と同じ席になってからは、ほぼ毎日のように叩かれ、みんな彼女に飽き飽きしていたはずだ。沢田夢子のこの総まとめ的な投稿は、ただ彼女への憎しみ値をさらに増幅させただけだった。

どうせ彼女は真っ黒になれるところまでなっていたが、沢田夢子は違う。Aクラスの花形で、清風の名高い清純派美人だ。

白紙のように純粋で美しい、多くの男子の憧れの的である女神が、親友の彼氏と密会していたなんて。この噂は、毎日彼女という欠点だらけのブスについて蒸し返すよりもずっと衝撃的だった。

この時期に沢田夢子のスキャンダルを暴露すれば、注目を逸らすことができる。

真相を明らかにできない状況では、より衝撃的な話題で大衆の目を逸らすこと。これは芸能界の定番の危機管理手法の一つだ。

動画を投稿した後、雨宮由衣は飲み物と軽食を注文し、椅子に座って静かに待った。

数秒の静寂の後、すでに返信が止まっていたスレッドが再び爆発した——

寂しい心:「うわあ!何これ!みんな超大スクープ見て!」

萌え系イケメン:「マジかよ!本当だったんだ!女神が江川麗子に携帯で殴られて顔中アザだらけに!」