一瞬にして錦秀バスケ部の男子たち全員が興奮して叫び出した。
「おおおおー!」
「おいおい!マジかよ!風間、お前やるじゃん!今日の様子がおかしかったのは失恋じゃなくて、恋愛してたってわけか。彼女のことばっかり考えてたんだな!」
「なるほど、こいつがさっきから観客席を見てた理由がわかったぞ!」
「お嬢さん、こいつの顔に騙されないでくださいよ!」
……
「うっせぇ、全員黙れ!」風間は不機嫌そうに皆を睨みつけた。
「じゃあ、私行くね。友達が待ってるから」江川麗子が言った。
風間は名残惜しそうな表情を浮かべ、少し不安そうに尋ねた。「じゃあ...また?」
「うん」江川麗子が頷いた。
その「うん」を聞いて、地球を一周して跳ね回っていた風間の心臓は、やっと体に戻ってきた。
振られなかった!今夜のデートはまだ有効だ!