第135章 飲んだのは水じゃなくて闘魂だ

席に戻ると、江川麗子はほとんど力尽きたような状態だった。

雨宮由衣は「わが家の娘も大きくなったわね」というような満足げな表情で、「すごかったわ!さっきのは素晴らしかったわよ!」

「ありがとう、全部由衣さんのおかげです」江川麗子は苦笑いを浮かべた。自分でも驚いていた。まさか自分がこんな口調と態度で蘇我隼樹と話す日が来るとは思わなかった。

すぐに15分の休憩時間が終わり、後半戦が始まった。

笛が鳴り、試合場の雰囲気は一気に緊張感が漂った。

誰もが気づいていた。この後半戦の雰囲気は明らかに先ほどとは違っていた。火薬の匂いが濃く、火花が散っているようだった。

蘇我隼樹は風間川治を軽蔑的な目で見た。

横にいたチームメイトも軽蔑的な表情で、「金持ちの息子だからって何だよ。所詮は役立たずだ!」

「そうだよ!バスケなんて糞みたいなのに!よくも俺たちのボスの女に手を出そうとするな!」

風間川治は相手側の意図的な嘲笑を気にせず、横のチームメイトに向かって言った。「これからは、全部俺にパスしてくれ」

金髪が悲鳴を上げた。「そんなことしたら完敗じゃん!」

「負けたら、一ヶ月分の飯おごるよ」

「マジで?一ヶ月だぜ!金持ちの太モモにしがみつけ!約束だからな、みんな覚えとけよ。全部のボール彼に渡すんだぞ!」

「はは、問題ない!」

……

すぐに、コート上で全員が猛スピードで走り始め、錦秀のキャプテンが清風のフォワードからボールを奪い、素早く風間川治に投げた。

彼は風間川治がまた取り損ねるんじゃないかと心配したが、今回はしっかりとキャッチした。

しかし清風の選手たちはすぐに風間川治に迫り、彼は三点シュートラインの端まで追い詰められた。

蘇我隼樹は冷笑し、チームメイトのカバーの下、風間川治のボールを奪おうとした。この位置なら、ボールを取れば確実に入る。

しかし、ボールに触れようとした瞬間、風間川治は一歩後ろに下がり、そのまま手にしたボールを力強く投げ出した。

全員の視線がボールの軌道を追った。数秒後——

「わぁ——入った!スリーポイント!!!」会場中が雷鳴のような歓声に包まれた。

試合開始からわずか30秒で得点、しかもスリーポイント。全員が予想外の展開に驚いた。風間川治がどんな動きをしたのか、ほとんど誰も見えていなかった。全てが一瞬の出来事だった。