第122章 薄情者

「お父さんの言う通りよ、麗子。もしあなたに何かあったら、私たちはどうやって生きていけばいいの！」

「ごめんなさい...ごめんなさい...お父さん...お母さん...私が自分勝手すぎました...もう二度としません...」

江川麗子は両親の前で大泣きし、溜まっていた辛い気持ちを全て吐き出した。

三人が落ち着いてから、雨宮由衣が尋ねた。「おじさん、おばさん、麗子のために、どうやって仕返しするつもりですか？」

江川さんは冷たく鼻を鳴らした。「もちろん、蘇我家のあの薄情な息子の望み通り、婚約を解消するさ！」

江川麗子は心配そうな表情を見せた。「でも、両家のこれまでの付き合いや、様々な業務やプロジェクトが絡み合っているのに...」

江川さんは娘に安心させるような目を向けた。「麗子、それは心配しなくていい。お父さんに任せなさい。早く分かって良かった。もう一日遅かったら、私の一億円が蘇我家の口座に振り込まれるところだった！今となっては、犬にでもやる方がましだ！」