第123章 私の彼氏が凄すぎる

「えっと……本当にやらなきゃダメ?」江川麗子は躊躇した。

雨宮由衣のことは完全に信頼しているものの、これだけは本当に……

雨宮由衣は彼女を一瞥し、鏡を渡しながら言った。「捨てられた女みたいな顔で学校中の前に現れて、みんなの笑い者になりたいの?」

「もちろんそんなの嫌だけど、あなた本当にできるの?」

雨宮由衣は顎に手を当てて、「失敗したら、私が丸坊主になって付き合ってあげるわ。考えてみれば、丸坊主って試したことないわね!」

雨宮由衣の表情を見ると、むしろ試してみることに期待しているようだった。

江川麗子は呆れて口角を引きつらせた。「結構です、遠慮しておきます……」

雨宮由衣は相手の肩に手を置き、インチキ坊主のような口調で続けた。「そんな壮絶な犠牲を覚悟したような顔しないでよ!ね、私の目は確かなのよ!例えばあなたを見てみましょう。あなたは文芸系の清純派なんて全然似合わないわ。その胸見てよ、清純派が似合うと思う?なのに沢田夢子みたいな清純派真似して!少しは自覚持ちなさいよ!」

江川麗子は即座に胸を隠し、頬を真っ赤にして叫んだ。「雨宮由衣!あなた……変態……」

「事実を言ってるだけよ!」雨宮由衣は羨ましそうに何度も視線を送りながら言った。「信じて、あなたは妖艶で魅惑的で輝かしい女王様路線が似合うのよ!まず、そのパッとしない黒髪ストレートを変えないと。髪の量が少なすぎるから、その髪型だと海苔みたいに頭に張り付いちゃってて、どれだけダサいか分かる?とにかく明日美容院に行ったら、私の言う通りにすればいいから!」

江川麗子は、もし人前に出られないほどひどくなったら帽子をかぶればいいと考え、諦めたように言った。「とにかく緑髪に染めなければ、他は好きにして」

「本当?ショートカットにしても良い?」雨宮由衣は尋ねた。

江川麗子は微笑んで答えた。「彼のことはもう諦めたんだから、彼のために伸ばした髪なんて惜しくないわ」

雨宮由衣は満足げに頷いた。「いいわいいわ!教え甲斐があるわ!」

……

一夜が過ぎた。

昨夜、江川麗子は寮に戻らず、彼女の部屋で寝た。

雨宮由衣は朝起きても彼女を起こさず、静かに身支度を整えて授業に向かった。

昨夜遅くまで起きていたせいで、雨宮由衣はずっと眠気に襲われ、教室に着くと机に伏せて居眠りを始めた。