隣の席の相手がどんな表情をしているかなど気にもせず、雨宮由衣は安心して眠り続けた。
うとうとしているうちに、彼女は夢を見た。
銃声、爆発音、叫び声が至る所で鳴り響いていた……
視界に入るものは全て、空一面に広がる血と炎だった。
すでに疲労困憊していたが、それでも走り続けなければならなかった。走り続けなければ。
周りは恐怖に怯える人々ばかりで、次々と傍らで人が死んでいく。次は自分かもしれない。死の気配が迫ってくる。
どれだけ走ったのかわからない。まるでその道に終わりなどないかのように……
ついに、前方に道はなくなり、崖だけが残された。背後には黒々とした渦、前方には迫り来る殺意……
退路を断たれ、彼女は手にした刀を振り上げ、次々と人々の首を切り裂いていった……
大地は血に染まった……