庄司夏が席に戻っても、女子たちはまだガヤガヤと騒いでいた。三上周威は急に厳しい表情になって、「はいはい、落ち着いて。私を見たときはこんなに興奮しなかったじゃないか?」と声を上げた。
「先生はイケメンじゃないからです!」すぐに女子が反論した。
「今なんて言った?もう一度、勇気を出して大きな声で言ってみなさい!」三上周威の声には明らかな威圧感が込められていた。
「先生が一番カッコいいです!」女子は慌てて叫んだ。
「よろしい!問題を解き続けなさい!」
……
騒ぎが収まった後、みんな再び問題に取り組み始めたが、明らかにクラスの美に魅了された女子たちは誰一人として勉強に集中できていなかった。
庄司夏は席に着くと、問題を一通り見渡した後はいつものように机に伏せて寝始めた。
隣の雨宮由衣は羨ましそうに見ていた。彼女が白紙で提出する理由とは違い、この人は全問解けるからだった。
前回、たまたま見た問題の模範解答を覚えていて満点を取った自分に比べ、庄司夏は欠席以外の数学の試験は毎回満点だった。
彼女の目には、こんな人は完全な変態としか映らなかった。
やっぱり庄司家には普通の人間が一人もいない!
雨宮由衣が苦々しい表情で問題を解きながら心の中で毒づいていると、突然肩に重みを感じ、清々しい香りが鼻をくすぐった。
雨宮由衣は固まったまま振り向くと、庄司夏がいつの間にか寝る姿勢を変えて、運悪く彼女の肩に寄りかかっているのを発見した!!!
その瞬間、教室中でガタガタという音が立て続けに響き、ずっと庄司夏に注目していた女子たちの眼鏡や顎が床に落ちそうになり、藤原雪の視線に至っては人を殺せそうなほど鋭かった。
「ヤバッ!庄司夏が...が彼女の肩に寄りかかってる!」
「雨宮由衣のあのクソ女!」
「誰も止めないで、あのブスの手を払いのけてやる!」
……
雨宮由衣はクラスの女子全員の殺人的な視線を浴びながら、急いで慎重に肩の上の眠れる美女をどかそうとした。
くそっ!たまったもんじゃない!
自分には何の関係もないのに、自分も被害者なのに!
でもそんなことを口に出せば殺されかねないので、苦痛を飲み込むしかなかった。
幸い、移動させようとした途中で庄司夏が自分で目を覚ました。
その眠そうな顔は...まさに反則級だった!