第95章 イケメンすぎて俺でも惚れそう

抗議書が加瀬東のところに届いたとき、彼は表情を苦悩させながらも、結局は目に入れたくないと横に放り投げた。

昨夜あの男が自分を見つめていた眼差しを思い出すと、今でも全身が震える。さらにあの男の顔と威厳を思い出すと、余計な考えなど浮かぶはずもなかった……

雨宮由衣本人については、皆が騒いでいるのを見て、目を輝かせながら興奮して、密かに思った。よかった、早く連名で抗議してくれ、私も署名できないかな?

もちろん、彼女が証拠隠滅するのを恐れて、抗議書を彼女に渡すことはないだろう。

抗議書が一巡りすると、びっしりと署名で埋まっていた。藤原雪の取り巻きが代表として、興奮気味に抗議書を二宮晴香のところへ持って行った。雨宮由衣の前を通り過ぎる時、得意げで嘲笑的な表情を浮かべていた。