翌朝。
雨宮由衣はいつものように教室に来た。
もう三日目だったが、彼女と加瀬東のことはまだ注目の的だった。加瀬東が来る前から、みんなは小声で、彼が来たらまた何か驚くようなことをするのではないかと噂していた。
授業開始直前になってようやく、加瀬東が遅れてやってきた。
彼は大きな隈を作り、疲れ果てた表情で、魂が抜けたような様子で、入り口でドアの枠にぶつかりそうになった。
みんなの好奇の目の中、加瀬東は教室に入った。雨宮由衣の席を通り過ぎる時、一瞬足を止め、何か言いたそうにしたが、何かを思い出したかのように、急に話すのを諦め、うつむいたまま急いで通り過ぎた。まるで後ろから何かに追われているかのように。
加瀬東のこの避けるような態度を見て、雨宮由衣は深いため息をついた。