第111章 餌付けされた

その女の子がそんな風に遊び半分であやすと、庄司輝弥は本当に拭き取る動作を止め、恐ろしい表情も完全に普通に戻り、目には温もりさえ宿っていた。

目の前のこの子と比べたら、彼が連れてきた女なんて全くの無能だ!

鈴木浩は我慢できずにこっそりと林翔太に尋ねた。「林様、この方はどなた様なんですか?」

「ただのブスだよ……」林翔太は顎を支えながらぶつぶつ言い、疑わしげに雨宮由衣の方を見つめた。

雨宮由衣のような放火魔が、いつの間に消防士になったんだ?

鈴木浩:「……え?」

ブス?林翔太は目が見えてないんじゃないのか?

鈴木浩が呆然としているのを見て、林翔太は苛立たしげに注意を促した。「えって何だよ!運が良かったな、助かったんだから、早く連れを連れて帰れよ!」

くそ、死ぬかと思った!今夜雨宮由衣が来なかったら、この場は収拾がつかなかっただろう!