第166話 ボロが出た

沢田夢子は良い算段を立てていた。蘇我隼樹が告白した時、その場では返事をせず、蘇我隼樹の前では二人の関係を認めながら、梶田朗の前では完全に否定し、蘇我隼樹が一方的に付きまとっていると言っていた。

沢田夢子は全ての人を手のひらで踊らせることができると思い込んでいたが、まさかこのような状況で二人が出くわすとは。二人が対面し、対峙することで、彼女の演技も嘘も一気に暴かれてしまった。

この瞬間、周りの人々は喧嘩する二人を見つめ、次々と暴露される蘇我隼樹と梶田朗の話に、皆が目を丸くして驚愕していた。

「マジかよ!こんな展開!やっぱり沢田夢子が蘇我隼樹を誘惑してたんだ!」

「今度は梶田朗まで出てきた!なんてこった!二股かけてたってことか?沢田夢子は最初から最後まで二人を弄んでたんだ!」