第131章 興奮しすぎた

笛の音が鳴り響き、試合が正式に始まった。

雨宮由衣はバッグから予め用意していたポップコーン、コーラ、フライドチキンを取り出し、食べながら夢中で観戦し始めた。

そういえば、彼女が後にアーティストではなくマネージャーを目指すことにしたのも、この食への欲求が大きな理由だった。毎日食事制限をされて、これもダメ、あれもダメと言われていたら、人生の意味なんてないじゃないか?

錦園の菜種は芽を出したかな、どんな風に育っているのかな、それに私の雛鳥や小魚、ブドウの苗も……

雨宮由衣がちょっと考え事をしている間に、スコアはすでに11対0になっていた。

清風11点、錦秀0点。

「どういうこと?」雨宮由衣は呆然とした。

江川麗子は首を振って、「分からないわ。川治君、今日の調子があまり良くないみたい」