第196章 スクールクイーンの交代

「お前……」藤原雪は雨宮由衣を睨みつけ、その場で顔が青ざめた。

彼女は、雨宮由衣のあの恐ろしい濃いメイクの下に、こんな顔が隠されていたとは、どうしても想像できなかった!

そして雨宮由衣のその顔の前では、今夜彼女が心血を注いだ精巧なメイクと華やかなドレスは、全て笑い物になってしまった。

この時、周りの人々は藤原雪の方向を見つめ、皆が異様な視線を向け、ひそひそと囁き合い始めた。

雨宮由衣は全てのメイクを落とし、完全なすっぴんで、身につけているのはシンプルな白いドレスだけだった。それなのに、盛装して出席した藤原雪、清風のミスキャンパス、全ての男子学生の憧れの的を完全に打ち負かしてしまった。これはどういうことだ!

「雨宮由衣が以前、素顔を見せないのは面倒と混乱を避けたいからって言ってたの覚えてる?くそ、マジで本当だったんだ!これはヤバすぎる!」

「まさにその通りだよ!もう卒業間近なのに、こんな国宝級の美女が学校にいたなんて今まで知らなかった!この美貌は藤原ミスキャンパスを軽く何周も上回るよ!雨宮由衣が早くから素顔を見せていたら、藤原雪なんて相手にもならなかったはず!」

「今日のこの一件は藤原雪が仕掛けたんだろ?雨宮由衣を懲らしめようとしたのに、自分で自分の顔に泥を塗っちゃったね!」

「この雨宮由衣と藤原雪って、まさに白雪姫と女王様だよ!最高!」

「今夜は本当に信じられない展開だった!まだ現実感がない!三年連続のミスキャンパスが、ブスだと思われていた子に完全敗北するなんて……」

「誰がブスだって?誰が私の女神をブス呼ばわりした?私の女神こそが真の清風のミスキャンパスだ!信じられないなら勝負しよう!投票しよう!」

「投票なんて必要ある?清風のミスキャンパスは、もう完全に交代すべきでしょ!」

……

藤原雪は周りの嘲笑の視線と噂話を見聞きし、傍らの二人の取り巻きを強く押しのけて舞台裏へと走り去った。走りながら、発狂したかのように身につけていた華やかなドレスを引き裂いていった。

藤原雪にアイデアを出し、雨宮由衣にメイク落としを仕掛けることを企んだショートカットの女子は、すでに完全に呆然としていた。この状況で藤原雪の近くにいる勇気など到底なく、急いで頭を下げたまま、できるだけ遠くへと逃げ出した。