「お前……」藤原雪は雨宮由衣を睨みつけ、その場で顔が青ざめた。
彼女は、雨宮由衣のあの恐ろしい濃いメイクの下に、こんな顔が隠されていたとは、どうしても想像できなかった!
そして雨宮由衣のその顔の前では、今夜彼女が心血を注いだ精巧なメイクと華やかなドレスは、全て笑い物になってしまった。
この時、周りの人々は藤原雪の方向を見つめ、皆が異様な視線を向け、ひそひそと囁き合い始めた。
雨宮由衣は全てのメイクを落とし、完全なすっぴんで、身につけているのはシンプルな白いドレスだけだった。それなのに、盛装して出席した藤原雪、清風のミスキャンパス、全ての男子学生の憧れの的を完全に打ち負かしてしまった。これはどういうことだ!
「雨宮由衣が以前、素顔を見せないのは面倒と混乱を避けたいからって言ってたの覚えてる?くそ、マジで本当だったんだ!これはヤバすぎる!」