無数の視線の中、少女の身に纏っていたボロボロの重い衣装が脱がされ、カツラが外され、厚く塗られた化粧と汚れも洗い流された。
一瞬にして、まるで埃を被った宝珠が日の目を見たかのように、眩いほどの輝きを放った。高みから見下ろすような冷たく鋭い眼差しは、まるで炎のように彼女のすべての偽装を焼き尽くし、瞬く間にすべての光彩を放った。
庄司夏が知らせを受けて駆けつけた時、目にしたのはそのような光景だった。彼はステージの下で呆然と立ち尽くし、完全に凍りついていた。
先ほどまで狂ったように嘲笑していた人々は、今や信じられない様子で立ち尽くしていた。
唯一冷静さを保っていたのは、事情を知っていた加瀬東だけだった……
どれほどの時が過ぎたのだろうか、静まり返った大講堂に突然「ガシャン」という大きな音が響き渡った。誰かが不注意で道具を一列倒してしまったのだ。
その時になってようやく、人々は我に返り、講堂全体が大きな驚きと議論の声で沸き立った。
「マ……マジかよ!超美人!!!」
「美しすぎるって!まさに絶世の美女!こ……これは一体どういうこと?あ……あれが雨宮由衣?」
「ありえない!絶対夢を見てる!雨宮由衣のようなブスがこんなに綺麗なわけない!私の胸がドキドキして、もう狂いそう。恋に落ちちゃったかも!これぞまさに俺の理想の女神様!」
「すごい!これが清風一の不細工って言われてた人?絶対僕ら新入生をからかってたんでしょう!このお姉さん、マジで可愛すぎ!」
「おいおい、小僕っ子、髭も生えてないくせに先輩を狙うなよ!先着順って分かってる?」
……
舞台の中央で、雨宮由衣は先ほどより更に熱狂的になった観客を見つめ、眉をわずかに寄せた。
特に男子学生たちは、一秒前まで冷ややかな嘲笑を浴びせていたのに、次の瞬間には熱狂的な告白をし、女神様と呼び始めた。
ここまで頑張ってきて、少なくとも卒業までは持ちこたえるつもりだったのに、一瞬で全てが台無しになってしまった。
たった一人の恋心でも命取りになりかけたのに、こんなに大勢では、いくつ命があっても足りないだろう!
雨宮由衣が頭を悩ませていると、ふと群衆の中に江川麗子の姿が目に入った。
江川麗子は押し合いへし合いする群衆に押され、苦痛の表情を浮かべながら地面に倒れていた。