「げほっ、げほげほげほ……」入り口にいた井上和馬は驚愕のあまり咳き込み、肺が飛び出しそうになった。
なんてこった!この雨宮由衣、本当に何でも言っちゃうんだな!
当主を目の前で犯すなんて、そんな言葉まで口にするなんて!
当主の表情なんて見られたものじゃない!
そして、雨宮由衣がさらに衝撃的な言葉を発する前に、井上和馬は急いでドアを開けた。「庄司少爺、雨宮……お嬢様……」
怒り心頭の雨宮由衣は入り口の声を聞いて、背筋が一瞬凍りついた。
振り向くと、井上和馬と庄司輝弥の姿が目に入った……
やべぇ!!!
なんでこの二人がいるの!
雨宮由衣は庄司輝弥の絶世の美貌を持つ氷山のような顔を見つめ、まるでタイタニック号のように、頭が真っ白になった。
頭の中には先ほど気勢を上げて叫んだ「庄司輝弥を呼んできて、お前の目の前で犯してやる」という言葉が響き渡っていた……
さっきの声はあんなに大きかったから、庄司輝弥は絶対に聞いていた!
私の節操!私の清らかなイメージ!全部台無し!
雨宮由衣の頭の中は轟音が鳴り響き、目の前で星が飛び交い、しばらくしてようやくこの大きな衝撃から我に返り、どもりながら慌てて口を開いた。「し、庄司輝弥……どうしてここに……夏を見に来たの……へへへ……さ、さっきは子供と冗談を言ってただけよ……本気にしないでね……そんな不埒な考えなんて絶対絶対絶対ないわ……」
庄司輝弥は何も言わず、ただ微妙な表情で彼女を見つめていた。
雨宮由衣は庄司輝弥の冷たく深い瞳に静かに見つめられ、彼が何を考えているのか分からず、頭皮がゾクゾクした。
どれくらいの時間が経ったのだろう。彼女が寺に駆け込んで頭を丸めて潔白を証明したいと思い始めた頃、向かいの男性の薄く冷たい唇がようやく開き、一言。「夏はまだ未成年だ」
雨宮由衣は表情を固めた。「え?そ、それで?」
彼女には庄司輝弥のこの突然の唐突な一言の意味が全く理解できなかった。
庄司輝弥は目を伏せ、袖口を整えてから、さらりと彼女を横目で見て言った。「だから、今は君の要望に応えられない」
雨宮由衣:「……!!!」
ぶっ——
雨宮由衣はその場で三升の血を吐きそうになった!
なんてこった!庄司夏がまだ未成年だから、彼の前でライブショーができないってこと!?