第236章 私はあなたが大大好き

行けなくなった庄司夏は、悔しさと怒りが入り混じった中で、事を起こすことを決意し、雨宮由衣の言葉を聞くや否や、連続して頷きながら言った。「そうそう！見ただろう！彼はこんなに嫌な奴なんだ！これもダメ、あれもダメ！彼より嫌な奴なんていないよ！」

庄司輝弥の瞳は九幽の底のような冷たさを帯びて、庄司夏の方向を一瞥した。

「だってそうじゃん...」庄司夏はその視線に耐えながら続けたが、声は次第に小さくなっていった。

庄司輝弥は彼を無視し、手の甲の跡を横目で見てから、ゆっくりと目を上げ、視線を雨宮由衣に向けた。

空気が不気味な静寂に包まれた。

しばらくして、庄司輝弥はようやく口を開いた。「行かせてやってもいい。今日からお前の好きなことをさせてやってもいい。自由も制限しないし、お前の事には一切口出ししない。ただし...」

雨宮由衣は聞けば聞くほど信じられない思いで、最後の二文字を聞いて、緊張して指を握りしめた。「ただし、何？」

庄司輝弥：「第一に、お前から俺に頼みに来ること。」

雨宮由衣は慎重に考えながら、ゆっくりと言った。「邪魔はしないって約束してくれる？」

庄司輝弥は彼女を一瞥し、その表情は明らかに邪魔をする価値もないという様子だった。「約束する。」

雨宮由衣は疑いと不安を抱えながら庄司輝弥を見つめた。庄司輝弥が約束した以上、嘘はつかないはずだ。

でも、これはどういう意味なんだろう？

彼女を見下しているのか？一人では必ず失敗して戻ってくると思っているのか？

「第二は？」雨宮由衣は息を詰めながら尋ねた。

庄司輝弥：「第二に、怪我をすること。」

この答えを聞いて、雨宮由衣は一瞬固まった。「それは...怪我の程度はどの程度？」

庄司輝弥にとって、彼女は最も大切な所有物であり、当然どんな傷つきも許されなかった。

庄司輝弥は無表情で言った。「俺の判断による。」

雨宮由衣は呆れ気味に言った。「それじゃあ主観的すぎるわ...完全にあなたの言いなりじゃない...皮膚を擦りむいたり虫に刺されたりしても怪我って言うの？」

はぁ、あなたが偉いんだから、あなたの言う通りよね...

雨宮由衣は興奮する心を抑えながら、深く息を吸って言った。「私が全てをうまく処理できて、自分を守る能力があることを証明すれば良いってこと？」