「きゃあああ!やばい!か、かっこいい!」
「かっこいいだけじゃないわ!人間の領域を超えてるでしょ!反則すぎ!」
「大事なのはオーラよ!オーラ!まさに神!かっこよすぎて気絶しそう!」
……
窓の外のその光景を目にした雨宮由衣は、その場で凍りついてしまった。耳元の悲鳴が一瞬にして遠ざかり、静寂だけが残り、目の前のその男性だけが見えた。
男性の冷たく孤高な顔は完璧で一点の曇りもなく、雨の中、傘の下をゆっくりと歩いてくる姿は、まるで洞窟で千年の眠りについていた大悪魔のよう。その容姿は衆生を惑わす妖艶な存在で、突如として人間界に降臨したかのようだった。
やばい!
彼女は何を見たのか?
庄、庄司輝弥!
雨宮由衣の最初の反応は、悪魔の美しさに目を見開いて呆然とし、心を奪われることだった。