第252章 これからの運命

「二、三年?!」渡辺光は顔を曇らせた。このような汚名を二、三年も背負えば、たとえ最後に勝ったとしても、橋本羽は完全に終わりだ。それに会社の名誉も何年も台無しになってしまう。

「他に方法はないのか?」

弁護士は少し躊躇してから言った。「示談をお勧めします。この件の影響を最小限に抑えるのが最善かと」

桧山春樹はそれを聞くや否や焦った。「そんなことできません!示談なんてしたら罪を認めたことになります。羽の人生が台無しになってしまう!」

その時、桧山春樹の向かいに座っていた灰色のスーツを着た、知的な顔立ちの男が静かに口を開いた。「つまり、橋本羽一人のために、会社のタレント全員を巻き込むというわけか?」

桧山春樹の表情が一変した。「周藤、その言い方はどういう意味だ?」

周藤史良は肩をすくめた。「桧山君、あまりに利己的すぎるんじゃないか。この件は橋本羽が原因で、会社全体に影響が及び、株価も下がり続けている。今、君たちには潔白を証明する証拠が何一つないのに、会社の全員を巻き込んで共倒れするつもりか」