広い会議室は、見知らぬ男の来訪により、不気味な雰囲気に包まれていた。
「一体何者だ?我々ユニバーサルの広報部でさえ手に負えないのに、お前如きが橋本羽に対する世間の目を変えられるとでも?」
「若いの、ここで大口を叩くんじゃないよ!」
「今は橋本羽の評判は二の次だ。問題はユニバーサルエンターテインメント全体がこの件に巻き込まれていることだ……」
ユニバーサルエンターテインメントの幹部たちは、冷ややかな目で若者を見つめていた。
「渡辺部長、あの若造の甘言に耳を貸さないでください。きっと帝星の情報収集のスパイですよ!」周藤史良は慌てて立ち上がって言った。
周藤史良の言葉を聞いて、渡辺光の目に冷たい光が走った。
周知の通り、帝星エンターテインメントとユニバーサルエンターテインメントは水と油の関係で、橋本羽の件はユニバーサルエンターテインメントに非常に悪影響を及ぼしており、帝星がスパイを送り込んでくる可能性も否定できなかった。