第227章 3000人の後宮を開く

雨宮由衣は帰れることを知り、すぐに元気を取り戻した。

体温を測り、老医師が脈を診て問題ないと確認した後、庄司輝弥は約束通り井上和馬に車で送らせることにした。

故郷に近づくにつれ、二度目の人生で、ついに両親に会えると思うと、突然理由のない緊張感に襲われた。

破産後、両親は叔父の家に身を寄せ、今でもそこに住んでいる。

叔父の二宮家秀は平凡で無能で、普通の大学を卒業し、特技もなく、これといった実績もない。結婚する時も嫁を迎える時も、両親がお金を出して手配してくれたほどで、結婚用の家も父の名義の物件だった。

この数年間、父の援助のおかげで、今では小さな会社の社長となり、なかなか快適な生活を送っている。叔母は専業主婦で、娘の勉強に付き添うことに専念している。

記憶が正しければ、従妹の二宮詩音は今年高校三年生で、彼女と同じく今年大学受験を控えている。