第265話 獲物が罠にかかった

新しいネタが掘り出せそうだと気づいた現場のメディアは、一斉に興奮し始めた。

その一方で、アパートの中。

事態を注視していた桧山春樹は、状況の好転を待つどころか、さらに悪化する事態に直面し、もう気が狂いそうだった。

「何だこのクソサブアカウントは!このメディア連中は頭がおかしくなったのか?」

一体何が起きているんだ?

週刊誌マーズの記者は雨宮白の手配した人間じゃなかったのか?

橋本羽はベッドの端に寄りかかり、画面を見つめながら、相変わらず無表情で、予想通りの虚ろな表情を浮かべていた。

その時、配信サイトのコメント欄も狂ったように流れていた——

「やべぇ!これはヤバイぞ!橋本羽のツイッターのサブアカウントが暴露された!」

「これだけじゃないはずだ!」

「やっぱり気持ち悪い、動画の女の子は最大でも5、6歳くらいだろ、あいつの死んだ妹くらいの年齢じゃないか!」

「考えれば考えるほど怖くなってくる……」

……

予想通りの反応を得た後、高遠翼は重々しい表情で口を開いた。「皆さんもご覧になった通り、普通の人がこのような動画を見れば、動画の中の女の子が可愛いと思うだけです。このような汚らわしい考えを持つのは小児性愛者だけです!」

三上真之介はこの記者が新たな証拠を提示したのを見て、目が輝き、すぐさま同調した。「その通りだ!しかも、このツイートの日付は7年前だ。橋本羽という畜生は、これほど長い間隠し続けていたんだ。一体どれだけの無実の子供たちが被害に遭ったのか……」

メディア席で、白い服の男は携帯画面に映る観客の狂ったような推測の書き込みを眺め、現場のメディアと三上真之介の発言を聞きながら、気づかれないように口角を少し上げた。

獲物が……罠にかかった……

壇上で、高遠翼は何気なくメディア席の方向を一瞥し、その後会場全体に目を走らせ、最後に三上真之介の上で視線を止め、表情に少し驚きの色を浮かべながら、眉を少し上げて尋ねた。「三上様、あなたもそうお考えなのですか?このネットユーザーが小児性愛者だと?」

三上真之介はそれを聞くと、即座に躊躇なく答えた。「当然だろう、こんな獣以下の発言をする奴が小児性愛者でなければ何なんだ?」

他の人々も頭を寄せ合って囁いていた……

「そんなこと聞く必要あるのか?これが小児性愛でなければ何が小児性愛なんだ?」