第265話 獲物が罠にかかった

新しいネタが掘り出せそうだと気づいた現場のメディアは、一斉に興奮し始めた。

その一方で、アパートの中。

事態を注視していた桧山春樹は、状況の好転を待つどころか、さらに悪化する事態に直面し、もう気が狂いそうだった。

「何だこのクソサブアカウントは!このメディア連中は頭がおかしくなったのか?」

一体何が起きているんだ?

週刊誌マーズの記者は雨宮白の手配した人間じゃなかったのか?

橋本羽はベッドの端に寄りかかり、画面を見つめながら、相変わらず無表情で、予想通りの虚ろな表情を浮かべていた。

その時、配信サイトのコメント欄も狂ったように流れていた——

「やべぇ!これはヤバイぞ!橋本羽のツイッターのサブアカウントが暴露された!」

「これだけじゃないはずだ!」

「やっぱり気持ち悪い、動画の女の子は最大でも5、6歳くらいだろ、あいつの死んだ妹くらいの年齢じゃないか!」