彼女は男なのに、なんてメンヘラみたいなお酒を飲むの!キャラが崩壊しちゃうわ!
「彼女は今日はいないの!」雨宮由衣は、妻を恐れながらこっそり遊び回る夫のような態度を、見事に演じきっていた。
橋本羽も男だから、雨宮由衣の行動は至って普通だと感じ、笑いながら何気なく尋ねた。「そういえば、等々力辰を選んだって聞いたけど?」
雨宮由衣は頷いた。「そうよ!」
「なぜ彼なの?」
雨宮由衣は理由を説明しづらく、未来を予知していたとは言えないので、適当に答えた。「なんとなく気が合いそうだったから?」
橋本羽は軽く笑った。「イケメンだからって素直に言えばいいじゃん!」
雨宮由衣も笑って、肩をすくめながら言った。「事実でしょ?実物はもっとイケメンよ!さすが元国民の初恋!」
しかも、これは等々力辰の調子が悪い状態でも、素質だけ見ても十分素晴らしかった。