数日後。
等々力辰はいつものように極限まで疲れ果てた体を引きずって帰宅した。
古びた狭いアパートには、カビ臭い匂いが漂い、壁のペンキは剥がれ落ちていた。
あっという間に2週間が経ち、マネージャーは武術修行の稽古以外、何の仕事も手配してくれなかった。宣伝も、仕事のオファーも、オーディションもなく、しかも稽古のために、以前のアルバイトまで辞めてしまった。
母の病気の薬代は高くなる一方で、以前手に入れた1万数千元はそう長くは持たない。このまま収入がなければ……
等々力辰はシャワーを浴び、心ここにあらずの様子でテレビのスイッチを入れた。
テレビは長い間ノイズを表示してから、やっと画面が映し出された。
テレビではエンタメニュースを放送しており、ドラマの一場面が挿入されていた。