数日後。
等々力辰はいつものように極限まで疲れ果てた体を引きずって帰宅した。
古びた狭いアパートには、カビ臭い匂いが漂い、壁のペンキは剥がれ落ちていた。
あっという間に2週間が経ち、マネージャーは武術修行の稽古以外、何の仕事も手配してくれなかった。宣伝も、仕事のオファーも、オーディションもなく、しかも稽古のために、以前のアルバイトまで辞めてしまった。
母の病気の薬代は高くなる一方で、以前手に入れた1万数千元はそう長くは持たない。このまま収入がなければ……
等々力辰はシャワーを浴び、心ここにあらずの様子でテレビのスイッチを入れた。
テレビは長い間ノイズを表示してから、やっと画面が映し出された。
テレビではエンタメニュースを放送しており、ドラマの一場面が挿入されていた。
突然目に入った画面に、等々力辰の表情が一瞬曇った。
『ビックリドラゴン1』だ……
画面の中で、主演の加瀬哲哉の動きは優雅で軽やか、その顔立ちは端正そのものだった。
当時、彼は第二主演だったが、キャラクター設定が好評で、主演に引けを取らない人気を誇り、加瀬哲哉と人気を二分し、むしろ若干上回っていたほどだった。
しかし3年後の今、加瀬哲哉は雨宮グループ傘下の帝星エンターテインメントと契約を結び、今では橋本羽と同等の地位を持つ帝星エンターテインメントの看板俳優となっている……
一方、彼は……
等々力辰は再びノイズの出始めたテレビ画面を見つめ、眉間に苦い表情を浮かべた。
テレビから女性アナウンサーの悲痛な声が流れてきた。「3日前、現代を代表する武侠小説家の林宗央先生が83歳でご逝去されました。文学界と芸能界から追悼の声が相次いでおります……」
これを聞いて、等々力辰は再び愕然とした。
林宗央先生が亡くなったなんて……
周囲の人々の冷ややかな視線や嘲笑に影響されないよう、最近は必死に稽古に打ち込んでいたため、こういったニュースにまったく気付いていなかった。
テレビからの声は続いていた——