第293章 宮本旭と交換を

一人は前途有望な新星の林浩、もう一人は丸三年も作品がなく、すでに片隅に忘れ去られた彼……

誰でも、どちらを選ぶべきか分かるはず……

彼は分かっていたはず……とっくに分かっていたはず……

周藤史良の言う通り……ユニバーサル全体で……誰が彼を欲しがるだろう……誰が彼を必要とするだろう……

彼の人生は……もう終わっていた……

周藤史良は相手が同意したのを見て、内心で軽蔑の表情を浮かべた。ちっ、たかが三流タレントが簡単に折れるとは、この雨宮白もこの程度か。

周藤史良は傲慢な口調で、施しを与えるような態度で言った。「雨宮マネージャーも異議がないようなので、これで決まりですね。すぐに林浩のマネジメント契約書を持ってきて、あなたに変更しましょう!」

「待って!」雨宮由衣は周藤史良の言葉を遮った。

周藤史良は眉をひそめ、不満げな様子で「何?まだ要求があるのか?」

雨宮由衣は意味ありげな笑みを浮かべながら周藤史良を見つめ、輝く瞳に軽蔑と優越の色を宿らせて言った。「人の交換は構いませんが、周藤総監、林浩では格が足りないでしょう?交換するなら……宮本旭と交換してください!」

この言葉を聞いて、周藤史良は一瞬呆然とした後に我に返り、急に顔色を変えて激怒した。「雨宮白!随分と大口を叩くな!本当に私がお前を何とも出来ないと思っているのか?渡辺部長、お聞きになりましたか?こいつはわざと事を荒立てているんです!」

名前すら知られていない十八線タレントを、自分の配下で最も人気のある一線級タレントと比べるとは!

なんという傲慢さだ!

周藤史良だけでなく、等々力辰自身もこの言葉を聞いて呆然とし、澄んだ困惑した瞳には信じられない思いが満ちていた……

雨宮由衣の表情は少しも変わらず、冷笑を浮かべながら口を開いた。「私が事を荒立てている?誰が本当に事を荒立てているんですか?渡辺部長、あなたは輝星の全スタッフに私の仕事に協力するよう直接命令されましたよね……」