ただ、容姿は変わらないものの、人の雰囲気は変わるものだ。
三年前の等々力辰は白紙のような存在で、清らかで無垢で、才能と天性に溢れ、その独特な雰囲気は欲望渦巻く芸能界では清流のような存在だった。
しかし同時に、そのような清らかさは人々の汚したい、踏みにじりたいという欲望を掻き立てやすかった……
今の等々力辰の顔立ちは相変わらず繊細で完璧だが、まるで真っ白な雪原のようで、まだ少年の姿をしているのに、瞳の奥は荒涼として、まるで老人のように、一筋の光も宿っていない。
雨宮由衣はずっと理解できなかった。あの時『ビックリドラゴン1』の主要キャストは全員大ブレイクし、脇役でさえそれなりに成功していたのに、なぜ等々力辰だけが姿を消したのか。今になってようやく分かった。
当時の等々力辰はまだ十八歳で、大学に入ったばかり、夢を抱いて人生初の作品に出演し、大成功を収めた。彼の人生はまさに始まったばかりだった。