第319章 教育成果を確認する時

ユニバーサルエンターテインメント、社長室。

「はっはっは……素晴らしい!私の目に狂いはなかった!雨宮さんは本当に稀有な人材だ!」同じ知らせを受けた渡辺光は大喜びで、すぐに雨宮由衣を呼び出して話をした。

以前、突然雨宮白を重用したことで、部下たちから不満の声が上がっていたが、今や等々力辰が急激に人気を集め、彼の人を見る目が正しかったことが証明された。渡辺光は当然ご機嫌だった。

雨宮由衣は謙虚な表情を浮かべ、手柄を誇る様子は全くなかった。「それも渡辺部長が型にとらわれず、私にこのチャンスを与えてくださったからです。そうでなければ、私がどんなに頑張っても、ただの無名の人間に過ぎなかったでしょう」

この言葉を聞いて渡辺光は非常に満足し、この雨宮白は周藤史良よりもずっと分かっているな、使いやすいと思った。

そこで、すぐに引き出しから書類の束とキーカードを取り出して渡した。「私は賞罰をはっきりさせる人間だ。今回の仕事は非常に良かった。今月、経理部に特別ボーナスを出すように言っておく。この家も前倒しで渡そう。家賃の支払いは焦る必要はない。ゆっくり払えばいい!」

雨宮由衣は微笑んで、遠慮することなく受け取った。「ありがとうございます、渡辺部長」

渡辺光という老狐は、恩を施すような、大らかな態度を見せているが、結局は家を数日早く渡すだけで、実際には何も損していない。

渡辺光は言い終わると、探るように口を開いた。「雨宮君、『ビックリドラゴン1』の林楽天の役だが、どのくらいの自信がある?」

当時『ビックリドラゴン1』は大ヒットし、多くの新人スターを生み出した。その後、第二作目の撮影が予定されていたが、投資家と制作者側でさまざまな問題が発生し、途中で中断。その後、武侠の時代が過ぎ去り、続編も立ち消えとなった。

しかし、林宗央の死去により、武侠ブームが再び巻き起こり、さらに蘇我隆治が林宗央の遺志を継ごうとしていることから、この作品は間違いなくスターを生み出す大作となるだろう。チャンスは二度とないかもしれない。

蘇我隆治が情報を発表してからわずか十数時間で、各芸能プロダクションが動き出していたが、誰も雨宮白のスピードには及ばなかった。

雨宮由衣は落ち着いた様子で答えた。「等々力辰以外にありえません」