第325章 一対の美男美女

その女性が現れた瞬間、規制区域の記者たちを魅了し、感嘆の声が上がった。

「あれは何という芸能人?今まで見たことないけど?」

「あれは雨宮望美さん、雨宮家の長老夫妻が最も可愛がる嫡孫で、雨宮グループ社長の雨宮昇二の一人娘だよ!」詳しい記者が答えた。

この一言で、多くの新人記者たちが感嘆の声を上げた。

「雨宮望美さんは美しすぎるでしょう?この容姿なら、芸能界のトップクラスの美人タレントと肩を並べられる。それに、あの雰囲気は芸能人とは比べものにならないわ」

雨宮望美は公の場に姿を見せることは少なく、メディアの記者たちは彼女を見るたびに心を奪われずにはいられなかった。

「あの雰囲気は、確かに生まれ持ったものね……」

「雨宮望美さんがデビューしたら、顔立ちと雰囲気だけでも超人気者になれるでしょうね」

「雨宮望美さんはそんな身分の方だから、芸能界に入る必要なんてないわ。見た目だけの花瓶じゃなくて、実力も凄いのよ!将来、雨宮グループ全体が彼女のものになるんだから……」

記者たちがそう話している中、一人の若い男性が車から出てきた。

男性は背が高く、端正な顔立ちで、Brioniのオーダーメイドスーツを着こなし、細部に至るまで完璧だった。穏やかな微笑みを浮かべながら、真っ直ぐに雨宮望美の側へと歩み寄った。

「うわっ、あれは誰?帝都の黒田グループの後継者、黒田悦男じゃない!」

「きゃー!かっこいい!」

外周にいた女性記者たちは黒田悦男を見て歓声を上げ、若手俳優やスター以上に興奮していた。

芸能界のイケメンたちは彼と比べると影が薄く、まるで次元の違う存在のようだった。

芸能界で顔立ちの良いイケメンたちも、見た目だけのことで、その雰囲気は体系的なトレーニングを経て意図的に作り出されたものだ。黒田悦男や雨宮望美のように、オーラと気品が一体となって骨の髄から自然に滲み出るものとは、システマチックに育成されたアイドルとは比べものにならなかった。

この時、帝星所属の若手タレントたちは、黒田悦男と雨宮望美の傍らに立っていたが、瞬く間に存在感を失い、比較すると強烈なコントラストを生み出していた。