輝星メディア。
等々力辰が会社に足を踏み入れた途端、全員の注目を集めた。
これまで等々力辰を見向きもしなかった新人や練習生たちが、彼を見かけるなり、次々と自ら挨拶をしてきた。
「辰兄、おはようございます!」
「等々力先輩、おはようございます!」
「先輩、おめでとうございます!微博の動画を拝見しました。本当にかっこよかったです!」
「今回の林楽天役は絶対に等々力先輩しかいないと思います!」
数日経っても、等々力辰は自分の新しい立場に慣れることができず、周りの人々の賛辞に対して少し居心地の悪さを感じ、唇を引き締めながら、まっすぐ前を向いて急ぎ足で上階のオフィスへと向かった。
一方、片隅では、林浩が等々力辰の去っていく方向を見つめ、その瞳には陰険な色が満ちていた。
林浩の傍らにいた数人の若手芸能人たちは思わず舌打ちし、集まって小声で話し合っていた。