「はっはっは、雨宮の親父、もしかしてまだ知らないのかい?」里村教授は笑い声を上げながら、雨宮由衣を指差して言った。「君の孫娘は並々ならぬ才能の持ち主だよ。市内の文系で最高得点を取った由衣君は、今年の新入生の中で間違いなく一番だ。いや、過去三年間を遡っても、由衣君を超える者はいない。我々帝都メディア大学は、彼女を獲得するために帝都大学と激しい争いを繰り広げたほどだ。幸い、由衣君は最終的に帝都メディア大学を選んでくれた」
「以前から、どこの家がこんなに優秀な娘を育てたのかと思っていたが、まさか君の家とは!」
「雨宮の親父、本当に素晴らしい孫娘をよく隠していたものだ。今まで望美のことしか聞いていなかったが、まさか裏で由衣のような優秀な孫娘を育てていたとは、本当に感服するよ」
里村教授は話すほどに興奮し、雨宮由衣に視線を向け続け、その目には隠すことのない賞賛の色が浮かんでいた。
「里村教授のお褒めの言葉は過分です。運が良かっただけです」由衣は微笑みながら、落ち着いた態度で返答し、とても上品な印象を与えた。
「由衣君、私が若い頃にもし君のような運があれば、おそらく自分が何者かも分からないほど舞い上がっていただろう。君は本当に落ち着いているね」里村教授は笑いながら首を振り、この謙虚で冷静な少女をますます気に入った様子だった。
「由衣君、それは君の方が間違っているよ」突然、主席に座っていたもう一人の老人が立ち上がり、里村を横目で見ながら、やや不機嫌そうに言った。
この老人は白いスーツを着て、活気に満ち、富貴な雰囲気を漂わせていた。
この老人は、在席の全員がよく知る人物で、帝都一の学府「帝都大学」の理事、周青刚だった。
「由衣君、当初我々帝都大学は君のために大学院への推薦入学を約束したのに、最終的に帝都メディア大学を選んでしまった。本当に我々の心を傷つけたよ。帝都大学は本気で君を迎えたかったんだ。我々の条件は帝都メディア大学に決して劣らなかったはずだが」
周青刚はため息をつきながら残念がるばかりだった。こんな優秀な人材を帝都メディア大学に奪われるとは...もし早くに雨宮由衣が雨宮弘の孫娘だと知っていれば、真っ先に雨宮様のところに人材獲得に来ていただろう。