芸能マネージャーは時間が自由で、毎日会社にいる必要もないため、雨宮由衣は等々力辰のトレーニングスケジュールとトレーナー、栄養士の手配を済ませ、さらにネットでチームメンバーの募集を掲載した後、タクシーで庄司グループへ向かった。
秘書は彼女を社長室へと直接案内した。
社長と不思議な関係にあるこの方が今日は何か心配事があるようだと気づいた秘書は、探りを入れるように声をかけた。「雨宮様、今日は何かお悩みがあるようですが?」
雨宮由衣は眉間を押さえながら、否定せずに答えた。「ええ、悩んでいるんです...」
秘書は目を瞬かせて、「どうされたんですか?何かあったんですか?」
もしかして社長が...また機嫌を損ねたのかしら?
秘書は隣にいる美しい青年が物憂げにため息をつくのを聞いた。「あなたの上司が魅力的すぎるんです...」