第370章 やりすぎた

雨宮由衣は話しながら、写真を庄司輝弥に送信した。

写真には、ある喜劇役者らしき人物が写っていた。八十年代の古臭い赤いチェックシャツと緑のストレートパンツを着て、分厚い黒縁メガネをかけ、肌は浅黒く、大きな前歯が目立ち、しかもスキンヘッドという、言葉にし難い姿だった。

雨宮由衣は興奮気味に尋ねた。「どう?すごく安全でしょ?」

安全どころか、向こうから貢いでも女の子に相手にされないだろう!

完璧すぎる!

しかも絶対に誰だか分からない!

庄司輝弥はその写真を見た時の表情は「……」

雨宮由衣は良心が痛んだのか、この美貌の持ち主にこの写真通りの姿を要求するのは少し酷だと思ったらしく、少し譲歩して言った。「えーと、髪の毛はあってもいいかな……」

「赤いシャツが派手すぎるなら、緑に変えてあげる?」