第371章 君が女性でない限り

「……!!!」

何てこと!?

後ろのドアにいる二人を見た瞬間、雨宮由衣は雷に打たれたかのように凍りついた。

橋本羽のイケメンな顔はパレットのように七変化し、等々力辰の真っ白な顔は激しい風に吹かれた白い花のよう……

三人の目が互いに見つめ合い、大きな目が小さな目を見つめる。

空気が不気味な静寂に包まれた。

「これは……説明させて……絶対に誤解だから……」

橋本羽は彼女の足を見つめた。

雨宮由衣は下を向いて確認し、慌てて庄司輝弥の脇腹に押し付けていた膝を下ろした。

「とにかく、あなたたちが考えているようなことじゃないの……」

橋本羽は今度は彼女の手を見つめた。

雨宮由衣は熱い芋でも触ったかのように、庄司輝弥の襟元を掴んでいた手を慌てて離した。

「あのさ、等々力辰、橋本先輩が証人になれるから!」雨宮由衣は橋本羽に助けを求めるような目線を送った。あの子がどれだけ驚いているか見てよ。