第372章 もう怒りは収まりましたか?

彼女が女性でない限り?

ちっ、彼女は元々女なんだよ。男が好きな女だぞ?

でも問題は、もし彼女が女だと他人に知られたら、庄司輝弥の方はどうなるの?

等々力辰という子羊と比べたら、やっぱり悪魔の方が厄介だわ……

だから彼女が女性だということは絶対にバレてはいけない!

等々力辰には別の説明を考えるしかない……

橋本羽は力になれないと言い、ビールを持って部屋を出て行った。出る時に親切にもドアを閉めてくれた。

部屋の中で、雨宮由衣は憂いを帯びた表情で庄司輝弥を見つめた。「もう怒りは収まった?」

こんなにひどい代償を払ったのに……

ソファに座った庄司輝弥の長身な体、その深い瞳が突然彼女をじっと見つめた。「君は本当に、私が醜い格好をすることだけに怒っていると思っているのか?」

雨宮由衣はその眼差しに見つめられ、思わず尋ねた。「じゃあ……何?」