朝食後、一行は準備を整え、出発することにした。
あっという間に二日が過ぎ、道中は極めて平穏で、何の異常もなかった。
今回は二手の人員が同行しており、一方は影で、もう一方は影流を筆頭に表立って行動していた。
実際、今回の準備は万全を期していた。まして現在の庄司輝弥の身分と地位を考えれば、命知らずでもない限り虎の威を借るようなまねはしないだろう。
そのため、庄司輝弥の今回の外出は、ごく普通の出張として扱われ、誰も問題が起こるとは思っていなかった。
雨宮由衣だけが、目的地に近づくにつれて、心臓が締め付けられるように感じていた。
本来なら、このような人員配置であれば危険など起こりえないはずだった。しかし、誰があのような連中が現れることを予想できただろうか……
車内にて。