第385章 私の彼氏が私の面倒を見てくれる

庄司輝弥は両手を広げて待っている少女の方へ歩み寄り、ついに彼女を抱き上げてベッドに寝かせた。

雨宮由衣は素早く着替えを済ませ、荷物をまとめ、さらに部屋の隅から大きなスーツケースを引っ張り出してきた。

その時、階下では。

「何だって?あの女も一緒に来るんですか?」井上和馬の言葉を聞いた影流は、信じられない表情を浮かべた。

あの女が当主に執着するあまり、止められないと分かると、出張にまでついてくるなんて、まさに厚かましさの極みだ!

井上和馬は軽く咳払いをして、「ええ、都合上、女性ボディーガードも数名配置することになりそうです」

影流は苛立ちを隠せない表情で、「これは馬鹿げている!こんな重要な任務に、邪魔な女を連れて行って何になる?」

井上和馬はため息をつき、「まあまあ、余計なことは言わないほうがいいですよ。また叱られたいんですか?九様が既に決めたことですから。どんなに彼女が気に入らなくても、彼女は九様が選んだ人なんですから……」