ユージンの異常な趣味の一つは、彼が目をつけた強者を解体し、特殊な薬品で浸して人形にし、戦利品のように家に飾ることだった。ぞっとするような趣味だ。
「どこまでやれるか、見せてもらおうか?」影流は冷笑いを浮かべながら、再び攻撃を仕掛けた。
今度はユージンも警戒していたため、簡単には近づけなかった。しばらくの間、両者は膠着状態が続いた。
二人は一進一退の攻防を繰り広げていたが、井上和馬は少しも気を緩めることなく、むしろ表情は次第に暗くなっていった。
このユージンは狡猾すぎる。影流の長所がスピードだと見抜き、あえて戦いを長引かせて体力を消耗させようとしているのだ。
影流もそれに気付いていたが、今となっては身を引くことは不可能だった。少しでも気を抜けば致命傷になりかねない。他の者たちも息を潜め、彼の邪魔にならないよう気を配っていた。
あっという間に十五分が過ぎ、迷彩メイクの道化師が嫌味な声で急かした。「ちっ!遅ぇな...ユージン、お前にできねぇなら、俺にやらせろよ!」
「黙れ!」
ユージンは低い声で叱りつけ、再び影流に目を向けた。その眼差しは次第に真剣味を帯びていった。
この小僧、確かに実力がある。こんなに時間を費やすとは...
時間は一分一秒と過ぎていく...
突然、ユージンの瞳が輝きを増した。「ハッ...見つけたぞ...」
「まずい!」
井上和馬が警告しようとしたが、すでに遅かった。ユージンは影流の隙を見つけ、刃物よりも恐ろしい指が「プッ」という音と共に、無防備な腹部に突き刺さり、素早く引き抜かれた。
内臓が破裂し、影流は大量の血を吐き出し、顔面は蒼白となった。
ユージンの指は血に染まり、滴り落ちる血液を、まるで美味しそうに舌を伸ばして、影流の血を一滴一滴味わっているかのようだった...
この一撃は余りにも重く、影流の体は瞬時に揺らいだ。
「影流!」井上和馬は急いで駆け寄り、彼を支えた。
「隊長!!!」他のメンバーも全員駆け寄った。
こいつら一体何て異常者だ。影流さえも敗れるとは。
影流の恐ろしい傷を目にした蘇我保司は怒りで目を血走らせ、大声を上げながら隊列から飛び出した。
「このサイコ野郎!俺が相手になってやる!」
「蘇我!戻れ!お前では相手にならない!」影流は厳しい声で叱責した。