第418章 黒幕

富岡小百合は歯を食いしばり、怒りに満ちた表情で呟いた。「なんだよ、知恵深いって。ちょっとした小賢しさを使っただけじゃない!誰だってできるわ!」

富岡小百合の言葉を聞いて、十一の目には嘲笑いが満ちていた。ちょっとした小賢しさだって?この深窓に育ったお嬢様たちは、本当に愚かなほど純真なのだ!

この時、老夫人は雨宮由衣を見る目つきがだいぶ和らいでいた。先ほど雨宮由衣が当主夫人の立場で富岡小百合を平手打ちした時の威厳は、確かに彼女の評価を変えさせるものだった。

「由衣、確かにあなたはまだ九の恋人で、うちの家に嫁いでいるわけではないから、庄司家があなたに何かを要求する立場にはないわ。でも、九と運命を共にするために残り、みんなを救う方法を考えてくれたこと、それは祖母として嬉しく思うわ。」

今回の帰宅後、雨宮由衣は老夫人の態度が明らかに冷淡になっていることに気付いた。

考えるまでもなく、きっと誰かが老夫人の耳に何かを吹き込んだのだろう。

しかし雨宮由衣はそれを気にしていなかった。前世では、あの立場で老夫人に会っても、老夫人は平然としていたのだから。

前世のように自滅せず、老夫人のタブーに触れなければ、彼女のいわゆる「黒歴史」は実質的な影響を及ぼすことはないだろう。

雨宮由衣は顔に少し照れくさそうな表情を浮かべ、素直に言った。「おばあさま、私は大したことはしていません。ただ口先だけです。みんなが心を一つにして協力してくれたからこそ、この危機を乗り越えられたんです!」

雨宮由衣が手柄を自慢しないのを見て、老夫人は頷いた。「もういいわ、謙遜する必要はないわ。今回のあなたの功績は確かに大きい。祖母はそれを覚えておくわ!」

この時、長老たちもようやく何も言うことがなくなった。

その中で白髪の髭を蓄え、最年長に見える長老が冷ややかな目で雨宮由衣を一瞥し、すぐに無感情な様子で口を開いた。「それならば、この問題はここまでにしておこう!

今我々の急務は、この事件の黒幕が誰なのかを早急に突き止めることだ。庄司家と殺人同盟のような悪名高い組織とは何の関係も恨みもない。なぜ殺人同盟が我が庄司家に敵対するのか?あの無法者たちは明らかに誰かの指示を受けているのだ!」