人々は一斉に老夫人の話を遮った老人の方を見た。
事態の推移を注意深く見守っていた雨宮由衣は、唐装の老人が口を開くのを見て、眉間にしわを寄せた。
「どうしたの?」老夫人は眉をひそめた。
唐装の老人は冷たい視線を井上和馬の方へ一瞬向けると、すぐに老夫人に向かって言った。「お義姉さん、先日私の方で入手したものがありまして、まだ確認が取れていなかったため、すぐには出さなかったのですが、今回の当主襲撃事件と照らし合わせてみると、何か様子がおかしいと気づきました!重大な事態ですので、私一人では判断できません。お義姉さんと皆様にも見ていただきたいのです!」
この光景を目の当たりにした雨宮由衣は、ついに表情を変えた。
彼女の予想通り、来るべきものが、やはり来てしまった……
話をしていたのは、黒幕である庄司輝弥の雅道祖父さん、庄司雅道だった!