第474章 これはいけそうだ!

化粧室で、見物人が散り散りになった後。

宮本旭は雨宮由衣にこっそりと声をかけた。「雨宮兄、ほら、僕たちはもうこんなに親密な関係になったんだから、もしかして……」

雨宮由衣は宮本旭を横目で見て、ゆっくりと椅子から立ち上がった。「あなたの頑張り次第よ」

宮本旭は少し落胆したものの、すぐに元気を取り戻した。義理の兄が自分を試そうとしているということは、チャンスがあるということだ!

そう思うと、宮本旭はその場で完全復活した。「雨宮兄、ご安心ください。必ず頑張ります!」

この御曹司が意気込む青年のような姿を見て、雨宮由衣は思わず微笑んだ。「あなたの頑張りを期待しているわ」

男の口角が上がり、その笑みは波紋のように広がり、心の中まで染み渡った……

その微笑みを見た宮本旭の目には、あの日自分に砂糖漬けをくれた少女の笑顔と重なって見えた……