第475章 私がいるじゃないか

晴子は興奮した表情で話し続けていた。「それに、雨宮兄は昇進して、今はタレント経済部の部長になったんです...」

等々力辰が呆然と聞いている時、ドアの方から二人の足音が聞こえてきた。

雨宮白が颯爽とオフィスに戻ってきた。そして、その後ろについてきたのは...なんと宮本旭だった!

宮本旭はメイクとヘアセットを済ませたばかりで、全身が輝いているようだった。入室するなり、オフィス全体が明るく照らされたかのようだった。「ハーイ〜」

「あっ!宮...宮本旭さん!」晴子は驚きの声を上げた。

宮本旭はどこへ行っても注目の的で、無数のボディーガードに囲まれている。同じ会社とはいえ、小さなアシスタントは今まで宮本旭をこんなに近くで見たことがなく、本人を目の前にして興奮のあまり気を失いそうになった。

「こんにちは、スイートハート。これからは同じ家族だから、よろしくね!」宮本旭はその様子を見て、さらにホルモンを放出するかのように得意げに微笑み、その笑顔で覗く八重歯に、小さなアシスタントは魅了されてしまった。

雨宮由衣は軽く咳払いをし、少し困ったように宮本旭を見て、もう十分だという合図を送った。

宮本旭はようやく態度を控えめにし、その後、まだ呆然としている等々力辰の方に目を向け、眉を少しひそめて言った。「雨宮兄、これが兄さんの部下の等々力辰ですか?」

「ああ」雨宮由衣は頷き、すぐに等々力辰の方を向いて優しく言った。「等々力、宮本旭が私の部下として契約したばかりだ。挨拶してやってくれ」

宮本旭は大きな態度でソファーに座り、雨宮由衣が等々力辰に話しかける時の、自分に対する態度とは全く異なる優しさを見て、なぜか心地が悪くなった。顎に手を当て、口を尖らせて言った。「雨宮兄、僕がいるのに、この小僧なんかいらないでしょう?これからは僕一人だけを専属で見てくれませんか?」

この言葉を聞いて、宮本旭に挨拶しようとしていた等々力辰の表情が凍りついた。

雨宮由衣の表情も曇った。

宮本旭のこいつ、まだ甘く見すぎていたようだ!

来たばかりなのに、もう本性を現し始めている...

雨宮由衣は瞬時に鋭い眼差しを向け、宮本旭に警告の一瞥を送った。「もし私の下で続けたいなら、二度とそんな言葉を聞かせないでくれ」