雨宮由衣は急いで読み進めると、ゾッとするような発見をした。宮本旭が彼女の肖像画まで描いていたのだ!
やばい!終わった!
雨宮由衣の心臓が一瞬止まりそうになり、もうページをめくる勇気すらなかった。
目を細めて、震える指でページをめくると……
その肖像画を見た雨宮由衣は、再び呆然となった。
ふん!
宮本旭、くそったれ!
何てひどい絵を描いたんだよ!
服の色以外、どこが私に似てるっていうの?
文句を言いながらも、雨宮由衣はほっと胸をなでおろした。あいつの絵の下手さが幸いした。
まったく……
あんな親切心を出さなければよかった。ただあの時、あいつが可哀想に見えただけなのに……
今や皆が私を探しているし、蜜餞を買った時に誰かに見られていたかどうかも分からない。しばらくの間は気をつけないと。できるだけ女装でマンション付近を出歩かないようにしよう。