第453話 このやろう!

雨宮由衣は急いで読み進めると、ゾッとするような発見をした。宮本旭が彼女の肖像画まで描いていたのだ!

やばい!終わった!

雨宮由衣の心臓が一瞬止まりそうになり、もうページをめくる勇気すらなかった。

目を細めて、震える指でページをめくると……

その肖像画を見た雨宮由衣は、再び呆然となった。

ふん!

宮本旭、くそったれ!

何てひどい絵を描いたんだよ!

服の色以外、どこが私に似てるっていうの?

文句を言いながらも、雨宮由衣はほっと胸をなでおろした。あいつの絵の下手さが幸いした。

まったく……

あんな親切心を出さなければよかった。ただあの時、あいつが可哀想に見えただけなのに……

今や皆が私を探しているし、蜜餞を買った時に誰かに見られていたかどうかも分からない。しばらくの間は気をつけないと。できるだけ女装でマンション付近を出歩かないようにしよう。