深夜、錦園。
庄司輝弥はベッドに横たわる少女を見つめ、静かな瞳の奥で嵐が渦巻いていた。
脳裏には先ほどバーで起きた出来事が繰り返し浮かんでは消えていく……
追い詰められた少女が疲れを知らずに戦い続ける様子……
無表情で冷たい小さな顔……
そして、彼を見た瞬間の安堵の表情……
彼の心臓の最も柔らかい部分を鷲掴みにされたかのような、息苦しいほどの痛み……
その頃、帝都のとある別荘にて。
庄司夏は呆然とした表情で、光を放つパソコンの画面の前に座っていた。
画面には次々と写真が映し出されていた。
銃と花々……
イチゴケーキとアーモンドケーキ……
煙の立ち昇る村と星空の海……
写真は画面上で何度も繰り返し自動再生されていた。
そのとき、特別な通知音が鳴った。
少年は上の空でメールボックスを開き、いつものように期待せずにメッセージを確認した。