第516章 彼女は怖いのか?

深夜、錦園。

庄司輝弥はベッドに横たわる少女を見つめ、静かな瞳の奥で嵐が渦巻いていた。

脳裏には先ほどバーで起きた出来事が繰り返し浮かんでは消えていく……

追い詰められた少女が疲れを知らずに戦い続ける様子……

無表情で冷たい小さな顔……

そして、彼を見た瞬間の安堵の表情……

彼の心臓の最も柔らかい部分を鷲掴みにされたかのような、息苦しいほどの痛み……

その頃、帝都のとある別荘にて。

庄司夏は呆然とした表情で、光を放つパソコンの画面の前に座っていた。

画面には次々と写真が映し出されていた。

銃と花々……

イチゴケーキとアーモンドケーキ……

煙の立ち昇る村と星空の海……

写真は画面上で何度も繰り返し自動再生されていた。

そのとき、特別な通知音が鳴った。

少年は上の空でメールボックスを開き、いつものように期待せずにメッセージを確認した。