褒められて成功した由衣は、すぐに満足げな表情を浮かべた。
その時、由衣は目の端で庄司輝弥の足元に白い毛玉のように丸まっているものを見つけた。
「白!!!」由衣は「わっ」と声を上げながら庄司輝弥から飛び降り、白虎に向かって飛びついた。
この間の彼女の粘り強い努力(しつこい付きまとい)のおかげで、今では白に一歩以内まで近づき、端っこの虎の毛を撫でることができるようになっていた。
庄司夏は一瞬前に由衣が悪魔を手なずけるのを目の当たりにし、次の瞬間には由衣がスルートに罪な手を伸ばしても噛まれなかったのを見て、現実離れした気分になった。
これが本当に、あの暴虐で狂暴で些細なことも許さない庄司輝弥なのか?
これが本当に、人を寄せ付けず、すぐに人を引き裂くスルートなのか?
「くそ……」庄司夏は思わず呟いた。
由衣はようやく顔を上げ、横にいる人を見て、驚いた様子で「あれ?夏くん?あなたもいたの?」と言った。
庄司夏はそれを聞いて、その気品のある顔が一瞬にしてひび割れた。
くそっ、俺はずっとここにいたんだぞ!
「お見舞いに来たの?」由衣は目を瞬かせながら尋ねた。
「文句あるのか?」庄司夏は不機嫌そうに言った。
由衣はすぐに「ああ、じゃあもう終わった?」と聞いた。
由衣の言葉に込められた追い払いの意図を察して、庄司夏は顔を曇らせた。「雨宮由衣、どういう意味だ?」
由衣は微笑んで「つまり……もし終わったなら、早く帰ってくれない?私、叔父さんと出かけるから!」
庄司夏は眉をひそめた。「出かける?こんな遅くにどこへ行くんだ?」
由衣「デートに決まってるでしょ!」
庄司夏「……」
庄司夏は肺が痛くなるほど腹が立った。「俺は深都から戻ってすぐに見舞いに来たんだぞ。まだ飯も食ってないのに、もう追い出すのか!こんな長老のやり方があるか?」
由衣はようやく良心の呵責を感じたのか、考え込むように言った。「ご飯を食べさせないとは言ってないでしょ。私と叔父さんはデートに行くから、あなたは残って食事すれば?キッチンに作らせるから、何が食べたい?何でも作ってもらえるわよ!」
庄司夏「雨、宮、由、衣!」
由衣は子供っぽい怒鳴り声に鼓膜が痛くなり、「じゃあ、どうしたいの?」
庄司夏は深く息を吸って「どこにも行かせないか、俺も連れて行くかのどちらかだ!」