褒められて成功した由衣は、すぐに満足げな表情を浮かべた。
その時、由衣は目の端で庄司輝弥の足元に白い毛玉のように丸まっているものを見つけた。
「白!!!」由衣は「わっ」と声を上げながら庄司輝弥から飛び降り、白虎に向かって飛びついた。
この間の彼女の粘り強い努力(しつこい付きまとい)のおかげで、今では白に一歩以内まで近づき、端っこの虎の毛を撫でることができるようになっていた。
庄司夏は一瞬前に由衣が悪魔を手なずけるのを目の当たりにし、次の瞬間には由衣がスルートに罪な手を伸ばしても噛まれなかったのを見て、現実離れした気分になった。
これが本当に、あの暴虐で狂暴で些細なことも許さない庄司輝弥なのか?
これが本当に、人を寄せ付けず、すぐに人を引き裂くスルートなのか?
「くそ……」庄司夏は思わず呟いた。