第558章 師匠の言う通り

この状況に至っても、秋山若葉は主を守り続けていた。それに比べ、その場にいた暗殺衛士たちの雨宮由衣に対する憎しみは、ほぼ頂点に達していた。

「今や、第一暗殺衛士部隊はほぼ全員が雨宮由衣に寝返った。ならば、第一暗殺衛士部隊も清算する時が来たな」影流は肇を見て言った。「肇、お前は若葉お嬢様の下で長い間修行を積んできた。今度は私と若葉お嬢様を失望させるなよ。第一暗殺衛士部隊隊長の座は必ず手に入れろ」

それを聞いて、小宮山肇は頷き、冷たい声で言った。「隊長、ご安心ください。あの十一など、大した実力もない。彼を倒すのは造作もありません」

「よし」影流は頷き、立ち上がって窓際に歩み寄り、第一暗殺衛士部隊の訓練室の方を見つめた。口角が少し上がり、冷笑しながら言った。「十一よ...お前はあの女のために、主が私の暗殺衛士総隊長の座を完全に外すとでも思っているのか?雨宮由衣を師と仰ぐとは...お前の第一暗殺衛士部隊隊長の座もここまでだな。あの飾り物が一体お前に何を教えられるというのか、見物だ!」

...

その時、第一暗殺衛士部隊の訓練室では。

「バン」!

「バキッ」!

二つの人影が素早く遠くへ飛ばされ、その後重々しく土俵から落ちた。

「師匠、もう一度!」顔中あざだらけの十一が再び土俵に上がった。

「し...し...し...師匠...わ...わたし...休...休みたい...」清秀な若者は立ち上がった後、土俵の端に立ち、どもりながら言った。

「待って...どもり、休憩したいってこと?」雨宮由衣は額に浮かぶ汗を拭った。

「は...は...はい...師匠の...おっしゃる...とおりです!」どもりは頷いた。

どもりは本名ではなく、庄司家暗殺衛士部隊に入った時から、皆がそう呼んでいただけだった。彼の本名については、誰も尋ねることはなかった。

「どもり、休憩していいよ」十一はそうなることを望んでいた。

何日も続けて、食事と睡眠以外の時間を、十一とどもりは第一暗殺衛士部隊の訓練室で過ごしており、雨宮由衣も常に共にいた。

しかし、雨宮由衣は厭わなかった。最初は武道や格闘に対してそれほど興味がなかったが、時間が経つにつれて次第に興味を持つようになり、今では一日数本の技を練習しないと体が落ち着かないほどになっていた。