霜寒の心を服用した後。
ガーゴイルはレベルと称号だけでなく。
新たな特性も獲得した。
……
「特質IV:極寒の吐息」
「極寒の吐息:ガーゴイルは氷の元素で構成された息を吐くことができ、その威力と射程は幼年白竜に匹敵する;
一日最大十回まで使用可能。
具体的な回数は霜寒の心の充填状況による」
……
「いいね、龍威のない小型白竜といったところか」
ロジャーは満足げに頷いた。
しかし、すぐに思い直した:
「いや、白竜の知力はガーゴイルより低いかもしれない」
小さな奴の期待に満ちた眼差しを無視して。
彼は手早くもう一体のガーゴイル像を収納した。
その中にも同じくレベル29のエリートガーゴイルが封印されていた。
一旦解放すれば。
二体のガーゴイルは決闘を始め、一方が勝利するまで戦い続ける。
勝者は敗者の全ての財産と力を継承することができる。
霜冷のガーゴイルがこの仲間を食べることができれば、レベルは少なくとも40以上に跳ね上がるだろう。
しかしロジャーの計画では。
それは後の話だった。
レベル35のエリートガーゴイルがお供として付いていれば。
セラ川以北の地域で横行できることは間違いない!
……
ガーゴイル像と霜寒の心の他に。
ロジャーは本棚から数冊の本も手に入れた。
その中でも『角魔契約』という本が最も彼の目を引いた。
この本は「契約学」の入門書だ。
文字の読める者なら誰でも読むことができる。
一般人はこれによって"契約師"という職業を得ることができる。
職業者もこれを通じて副業を得ることができる。
注目すべきは、契約師は非常に完璧な副業だということだ。
古代の頑石を契約媒體とする「石頭黨」にせよ。
自然に生えた古い竹を媒體とする「竹葉黨」にせよ。
どちらも副業初期から冒險者に相当な即戦力を提供できる。
ロジャーがこの本を取っておいたのも。
将来の副業のための準備だった。
……
残りの戦利品は多少物足りなかった。
原初の石が嵌め込まれた楡の魔法杖は、「崩壞光線」と「防御のローブ」という二つの魔法を放つことができる。
売り払おう。
灰色の箱に赤いベルベットで包まれた「原初の石(火屬性)」が二つ。
物々交換するか、売り払おう。
それから知力+1の渦の指輪が一つ。
売り払おう。
それで全てだ。
ロジャーはこれらの品をすべてるつぼに入れた。
そしてるつぼをガーゴイルの腹の中に放り込んだ。
その後、彼は素早く跳び上がった——瞬時に五メートルの高さの差を埋め——開いた天窓から這い出た。
屋根の上は真っ暗だった。
ロジャーは手を払って暗影斗篷を起動し、闇の中に消えた。
……
夜。
死兆の郷の中心部。
最も静かで秩序の保たれている「草蛇組」の営舎付近。
斥候たちは警戒しながら営舎の境界を巡回していた。
他の区域と比べて。
ここの触手はより密集していた。
境界の端で。
巡回隊の隊長であるカートは眉をひそめて遠くを見つめていた。
さっきから。
「鴉組」の方で起きている混乱が収まる気配がない。
二番目の首領カペラは制止するどころか、かえって事態の悪化を放置している。
これは良い知らせではない。
「草蛇組」の古参として——ブラザーフッドの第一首領オルポートの腹心として——カートは自分の上司とカペラの関係が決して良好ではないことを知っていた。
双方が密かに争うのも一日や二日の話ではなかった。
しかし上司は今、外で灰色ドワーフと戦っているのだ!
二番目の首領が自分の部下たちの騒ぎを放置するなんて、どう考えてもおかしい。
カートは顔を曇らせ、騒ぎに加わろうとする数人の部下を制止し、黙ってこの件を手帳に記録した。
「首領が戻ってきたら、ふふ……」
そう考えていた時。
突然、「草蛇組」の方から慌てた様子の人影が走ってきた!
「大変だ!」
「二番目の首領が狂って、ガーゴイルを放って人を殺している!」
その男は顔中血まみれで、走りながら助けを求めていた。
カートは怒鳴った:
「止まれ!」
その男は驚いたのか、急ブレーキをかけ、地面で何度も転んでから、よろよろと立ち上がった。
「何があった?」
カートは彼の腕章を一瞥し、彼の襟首を掴んで持ち上げた。
「ガーゴイルです……ガーゴイルが!」
「多くの仲間が死にました」
その男は途切れ途切れに言った。
彼は相当な恐怖を感じているようで、全身震えながら、同じ言葉を繰り返すばかりだった。
これはカートをイライラさせた。
彼は相手を振り払い、鴉組の方向をしばらく見つめた後、歯を食いしばって手を振った:
「お前ら、ついて来い」
「てめえ、先導しろ!」
彼は地面に倒れている男を蹴りつけた。
相手は痛みで叫び声を上げたが、カートの威厳に恐れをなして、必死に立ち上がり、足を引きずりながら先導した。
一行は急いで進んでいった。
角を曲がると、目の前の光景にカートは仰天した!
全身から冷気を放つガーゴイルが一体。
「鴉組」のメンバーを狂ったように殺戮していた!
このガーゴイルの速さは尋常ではなく、その攻撃も極めて残虐だった。
低空飛行で一掠りするたびに。
手には血まみれの腸が握られていた!
悲鳴が天を突き破るように響き渡った。
「カート隊長、助けて!」
太った男がカートを見つけ、救世主でも見つけたかのように走り寄ってきた。
「バカ野郎!股間を守れば良いんだ!」
カートはベテラン冒險者として、豊富な経験と鋭い洞察力で、すぐに問題の所在を見抜いた!
ガーゴイルが急降下してきた。
デブの反応は比較的早く、間一髪で股間を守った。
ビリッという音!
彼の手の甲に深い傷跡が二本付いたが、本人は生き延びた!
デブは痛みと喜びが入り混じった表情でカートを見た:
「股間を守るの、本当に効くんですね!」
しかし次の瞬間、彼の表情が一変した。
煙玉が音もなく落ちた。
瞬く間にカートと残りの数人を黒い霧で包み込んだ。
さらに凄惨な叫び声が響き渡った。
黒い霧が晴れると。
地面には恐怖と苦痛に歪んだ顔の死体が数体横たわっているだけだった!
デブは背筋が凍る思いで振り返った。
そこには影に包まれた顔があった。
劍光が一閃。
この肥満体の強盗もまた命を落とした。
……
「鴉の盜賊を1名殺害しました。累計鴉の盜賊殺害数29名」
「XPを4ポイント獲得しました」
「義侠値を9ポイント獲得しました(任務報酬)」
「敏捷の欠片×2を獲得しました(任務アイテム)」
……
「股間を守る方法を知っている者は、生かしておけない」
ロジャーは思わずカートの死体をもう一度見つめた。
こいつはエリートモデルではなかったが、頭の回転は良かった。
しかし残念ながら。
ロジャーの煙玉に股間狙いの蹴り、さらに青銅の剣という完璧な組み合わせの前には、結局死を免れなかった。
この一団の強盗を始末した後。
ロジャーは衣服を払い、ガーゴイルを連れて別の場所へ暴れに向かった。
その夜。
死兆の郷は完全な混亂に陥った。
闇はロジャーにとって最高の隠れ蓑となった。
彼とガーゴイルのコンビネーションも、強盗たちの悲鳴の中で徐々に完璧なものとなっていった。
……
「草蛇斥候を1名殺害しました。累計草蛇斥候殺害数34名」
「XPを6ポイント獲得しました」
「義侠値を11ポイント獲得しました(任務報酬)」
「敏捷の欠片×1を獲得しました(任務アイテム)」
……
このように繰り返し。
七番目の敵集団を倒した後。
ロジャーは突然興味深いことに気付いた。
それはガーゴイルが独自のアイテムスロットを持っていたということだ!
スロット数は六つ。
つまりロジャーが持っているアイテムを、ガーゴイルも装備できるということだ!
これに気付いた後。
ロジャーは即座にアイテムを取り出し始めた。
「石灰袋」だとか。
「煙玉」だとか。
「強酸瓶」や「臭い玉」だとか。
一つ残らずガーゴイルに装備させた。
「これからは汚い仕事は全部お前に任せるぞ!」
全てを終えて。
ロジャーはほっと胸を撫で下ろした。
彼は遠くを振り返った。
そこは草蛇組の宿営地の中心部だった。
夜の帳の下。
普通の触手よりも太く長い巨大なものが聳え立っていた!
触手の吸盤は無数の目のよう。
蠕動する様は、周囲の全てを見つめているかのようだった。
あれは「イカドレの触」の母体!
そしてロジャーが上級任務で必ず倒さなければならない対象だ。
今や。
草蛇斥候たちはロジャーによってほとんど殲滅された。
奴に手を出すときが来たのだ!
……
(注1:知力が低いため、白竜はドラゴン族の恥とされ、多くのドラゴンは彼らを真竜ではなく獣だと考えている。実際には、成年白竜の知力は現段階のガーゴイルよりも確実に高いはずだが、ロジャーはここで意図的に貶めている)