シンディは仕方なく頷いた。
二人は人気のない場所へと向かった。
竜人祭司は考えを整理し、ゆっくりと口を開いた:
「最も核心的な部分を語る前に、あなたが知っておくべきことがあります。
ミストラには、かつて古い王国がありました。
その名は『タレン』。」
ロジャーは平然と言った:
「それは既に知っています。」
シンディは意外そうな様子を見せなかった。
彼女はただ頷き、そして笑みを含んだ目で尋ねた:
「では、『タレン』以外の先史文明についてご存知ですか?」
ロジャーは正直に首を振った。
竜人祭司はその異国情緒溢れる目でロジャーを見つめ、次第に厳しい口調になった:
「『エーテル学会』。」
「これは、もう一つの先史文明の通称です。」
ロジャーは眉を少し上げた:
「魔法文明?」
ミストラでは、エーテルはエレメントの古い呼び方だった。
シンディは肯定的に答えた:「その通りです。」
「私たちが持っている資料によると、タレンはかつてミストラの支配者でした。タレンの國王はこの星球のすべての領土を支配していました。
あの災厄が訪れるまでは——
あなたも他の場所で聞いたことがあるでしょう、それは非常に恐ろしい『滅世の禁呪』でした。
禁呪はタレンを破壊しました。
ミストラはそれ以来、魔力の汚染に悩まされ続け、わずかな人々だけがその災厄から生き残りました。
恐ろしい魔法の汚染によって、この星球の環境は住めなくなりました。
しかし同時に、より繁栄した魔法文明を急速に生み出すことにもなりました。
そしてこの魔法文明の指導者が、私が先ほど言及した『エーテル学会』です。
間もなく。
『エーテル学会』はタレンの支配に取って代わり、ミストラの至高の政権となりました。
しかし……」
ここまで来て、既に不吉な予感を抱いていたロジャーはゆっくりと言葉を継いだ:
「しかし、『エーテル学会』も先史文明となった。」
シンディは唇を噛み、無意識に頷いた:
「その通りです。」
「『エーテル学会』もまた滅世の禁呪によって滅びました。」