ロジャーは慎重に口と鼻を覆い、毒気がないことを確認してから安堵した。
高感知は捜索においても天与の利点があった。
しばらくして。
彼は残りの半分のUFOスターシップを隅々まで探し尽くした!
残念なことに。
このスターシップは深刻な損傷を受けていた。
操作パネルと動力システムは完全に使い物にならなかった。
これによってロジャーの心の中にあった非現実的な考えは完全に消え去った——
例えばこのスターシップを修理してミストラから脱出するなどという考えだ。
スターシップ内の物品の大半は失われており、残っているものもほとんど壊れていた。
そのためロジャーが見つけた使えるものは少なかった。
その中で最も価値が高いのは、ほぼ完全な状態の医療カプセルだった!
……
「中級醫療ポッド(超凡アイテム/戦略補給)」
「ランク:SS+」
「消費:粗精錬級原初の石」
「治療モード:ほとんどの病気や怪我を治療し、より速いライフポイントの回復を提供」
「救命モード:死亡指數7級以下のユニットを蘇生可能」
「備考:駆動に使用する原初の石の品質が高いほど、治療効果が向上;
治療モードでは、起動毎に原初の石1個を消費(水/土)(他の屬性は倍額);
救命モードでは、死亡指數に応じて原初の石の消費量が変動」
……
死亡指數7級とは、頭部が残っていれば蘇生できるということだ。
この医療カプセルの使用寿命は長くない。
しかし、それでも非常に貴重な宝物だった!
さらに素晴らしいことに。
この医療カプセルには縮小技術が備わっており、布団サイズまで折りたたんでコーンズの胃袋に収納できる。
ロジャーがこれを見逃すはずがない。
……
次に銃器、弾丸、そして精密工具一式があった。
ロジャーは大まかに確認した。
これらの銃器と弾丸の性能は沈默の正義や神曲には及ばなかった。
しかし、役立つ時が来るかもしれない。
そして精密工具一式は彼の大のお気に入りだった。
ミストラではこのような物は珍しい。
将来きっと役に立つだろう。
……
最後に航行日誌と壊れた小型位置探知機があった。
ロジャーはコーヴァス族の言語は理解できなかった。
しかし超常感知は比類なき洞察力を与えてくれた。
航行日誌がお札のように見えても。
彼はそこから有用な情報を読み取ることができた。
……
このスターシップは戦闘中に艦隊との連絡を失った。
最終的に時空の嵐に巻き込まれた。
幽浮では長時間の時空の嵐に耐えられるはずもない。
解体寸前のとき。
艦長は重要な物をいくつかの投下ポッドに詰め込んだ。
これらの投下ポッドはランダムな着陸地点に投下された。
艦長自身もそのうちの一つのポッドで脱出した。
ロジャーが見つけた位置探知機は、それらの投下ポッドを追跡するためのものだったはずだ。
航行日誌の最後に。
艦長はこう記していた——
……
「時空の嵐の中で何かに狙われている」
「来てはいけない惑星の近くに来てしまったようだ」
「あの巨大な存在が私に微笑みかけている」
「スターエルフよ、おそらく私は逃れられない運命にある」
……
日誌はここで突然終わっていた。
ロジャーは思考を巡らせ、すぐに状況を整理した。
もし彼の推測が正しければ。
光稜砲が収められていた投下ポッドは、この艦長が投下したものだ!
ただし時空の嵐の中で時間が乱れ。
光稜砲の投下ポッドは数百年前にミストラに到着していた。
一方スターシップ本体は。
今日になってようやく到着したのだ。
「他の投下ポッドがどこにあるのか気になるな。」
ロジャーは艦長の日誌に記された貴重品に大きな興味を持った。
彼は手の中の位置探知機を弄んでいた。
この装置の構造はシンプルで、電子ペーパーのような画面があるだけだった。
右上には方位針がある。
画面上には。
時々黒点が一瞬現れては消えていた。
ロジャーはしばらく振ってみた。
すると近くに本当に黒点が継続的に点滅しているのを発見した!
それは追風の小径の南方だった。
具体的な距離は分からなかった。
……
最後に、ロジャーは航行日誌と位置探知機を収納した。
彼は急いで艦内の出口に向かい、外を覗いた。
背筋が凍るような光景が広がっていた。
月明かりの下の崖には。
びっしりとスローンカエル人が並んでいた!
ざっと見ただけでも。
その数は1000体を超えていた!
これは斜面にいる者を除いての数だ。
これらのカエル人は防御シールドの外で待機し、殺気を放っていた。
ロジャーは思わず息を呑んだ。
彼は暗影斗篷を纏い、細心の注意を払って外に滑り出た。
「どこからこんなに多くのカエル人が?」
「この数は、このレベルの蛙人の集落では到底発展できないはずだ!」
ロジャーには理解できなかった。
彼は崖縁まで歩み寄り、下を覗き込んだ。
なるほど。
一線天の下には。
カエル人の海が広がっていた。
見渡す限り、青緑色の筋肉質の魔物の領域だった。
その数は死霊の領域にわずかに及ばない程度だった。
今。
彼らはスターシップによって破壊された集落と神殿の修復に懸命だった。
「これは異常だ。」
ロジャーは息を殺した。
一線天のあらゆる隅々を厳しい目で精査した。
ついに。
隠れた裂け目の中に、小さな流れを見つけた。
小川の両岸には黒い草が生い茂っていた。
無尽蔵のカエル人はここから湧き出ていたのだ!
……
「洞察力:あなたは次元界の入口を発見した」
……
「やはり次元界か。」
ロジャーは安堵の息を吐いた。
次元界は主物質界に付随する亞空間だ。
竜牙村の「翡翠園」がその一例だ。
今となっては。
この次元界こそがスローンカエル人の真の発祥地なのだろう。
ロジャーはさらに気付いた。