第6章 骨錬級の等級を適当に作る
「この骨錬には作法があり、等級に分かれているのだ……」
許炎が骨錬について質問してきたのは予期せぬことだったが、李玄は全く動揺しなかった。
前世はウェブ小説家だったのだから、でっち上げる能力には自信があった。この数日間、九葉霊芝で煮た鶏スープを飲んで記憶力が良くなり、精神も鋭くなっていたので、すぐにどう話を作るか思いついた。
「今日は師として、お前に骨錬についての知識を詳しく説明しよう。
「骨錬は極めて重要な基礎であり、おろそかにはできない。武道の強弱に関わることだ。骨が堅からずんば、身強からずというように……」
李玄は頭をフル回転させ、順序立てて話を作り始めた。
理論は筋が通っていて、許炎は聞き入り、頻繁に頷き、時折悟ったような表情を見せた。
「骨錬にはこんなにも奥深いものがあったとは。師匠が常に私に教えてくださって本当に良かった。落ち着いて、焦らずにと。もし急いで骨錬を始めていたら、こういった奥義を知らないまま、武道の将来を自ら断ってしまうところでした」
許炎は心の中で感嘆した。
「やはり師匠の教えに従い、焦らず、落ち着いて、よく悟らねばならない！」
聞けば聞くほど、骨錬という段階の深遠さを感じ、一旦骨錬が完成すれば、実力は必ず数倍に増すはずだと確信した。
「私は皮錬が大成し、まもなく完成する。皮錬が完成したら、必ずしっかりと沈殿させ、骨錬の道理をよく参悟してから骨錬を始めよう。急いではいけない！」
許炎は心に決意を固めた。
李玄は話を作り上げながら、常に許炎の表情を観察していた。彼が真剣に聞き入る様子に満足し、うなずいて言った。「弟子よ、覚えておくがよい。修行の始めが遅いからといって、後の修行も遅いというわけではない。
「建物を建てるのと同じだ。基礎が最も重要なのだ。基礎が不十分で土台が不安定であれば、風雨に耐えられず、簡単に崩れてしまう。修行の道もまた同じこと。初期の速さを追い求めることは、かえって自身の限界を殺し、武道の将来を殺すことになる……
「古今東西、初期の修行は速く、一見天才のように見えても、後になって基礎が不十分なため、進歩が遅くなり、さらには限界に達して、一歩も前に進めなくなった者が多くいる」
李玄がこの話をしたのは、許炎を慰めるためだった。まだ気血を感じられないが、基礎を固める段階では速さを追い求める必要はなく、基礎を固めることが本質だと。
しかし許炎は聞いて精神が振るい立った。心の中で思った。「師匠は私に、私の修行速度は古の天才には及ばないかもしれないが、基礎さえしっかりしていれば、必ず追い越せると教えてくださっているのだ！」
「師匠は私に大きな期待を寄せてくださっている。決して失望させてはならない！」
「必ず基礎をしっかりと固め、古の天才たちを超えてみせる！」
許炎は心の中で感動し、恭しく言った。「師匠、ご安心ください。弟子は必ずあなたの教えを心に刻み、焦らず基礎を固め、決してあなたを失望させません！」
李玄は満足げに頷き、言った。「お前が師の苦心を理解してくれて、嬉しく思う」
心の中でほっと息をついた。「やっと、また彼を説得できた。一ヶ月や二ヶ月気血を感じられなくても、きっと落ち着いていられるだろう。それに九葉霊芝で煮た鶏スープを飲んで、私の体が強くなったように、彼の体も強くなるはずだ。彼はきっとそれを修行の成果だと思うだろう」
「しかし、人を騙すのは一時的なものだ。特に修行のような事では。許炎は頭が良くないから良いものの、やはり身を引く策を考えておかねばならない。あいつには後ろ盾があるのだから」
許炎の心を落ち着かせることができたので、あとは簡単だった。修行を続けさせればいい。
一年の期限まで、まだまだ時間がある。
「師匠、骨錬が等級に分かれているとおっしゃいましたが、これにはどのような意味があるのでしょうか？」
許炎は恭しく尋ねた。
「うむ、その通り、骨錬には等級がある」
李玄は心の中でハッとした。骨錬の等級を作り上げることを忘れかけていた。
「骨錬の難度を高く設定しよう。許炎は気血すら感じられず、皮錬もできていないのだから、より難度の高い骨錬など、望むべくもない。
「彼が長い間修行に成功できなければ、諦めて、自分の天賦が足りないと悟り、自ら去っていくだろう。師匠の教えに応えられなかったと……
「そして私がもう一つのチャンスを与える。例えば子供ができたら、入門できるかもしれないと。希望を持たせれば、自分の修行は叶わなくても、子供に修行させようとするだろう……
「そうすれば、ばれる可能性はさらに低くなり、将来、彼の子供の入門の礼も得られる……」
一度騙したのだから、二度目も構わない。
李玄は考えた。この件が終われば、自分は小さな山村を出て呉國に逃げ込もう。そうすれば、許炎に再び会う可能性は極めて低くなる。
許炎からの入門の礼があれば、呉國での生活も少しは良くなるだろう。
姿勢を正し、厳かに言った。「骨錬の道は四つの等級に分かれる。骨錬鐵級、骨錬銅級、骨錬金級、骨錬玉級……」
許炎は興奮した様子で尋ねた。「鐵骨級、銅骨級、金骨級、玉骨級、これが骨錬の四段階なのですか？」
李玄は首を振って言った。「違う！これは四つの骨錬等級であり、武道における限界と自身の実力の強さを表すものだ」
「鐵骨級は、一般の武者の骨錬で、大半がこの等級だ。気血で骨を鍛え、鉄のように堅くなり、普通の刀では切れない。しかし鐵骨級は平凡で、武道の限界は低い。
「銅骨級は鐵骨級より強く、その骨は銅のようだ。死後千年経っても腐らない。一旦銅骨級に達すれば、基礎は深く、武道の限界も高くなる。これは中級上位の才能と言える。
「金骨級に達して初めて、天才と呼べるのだ！」
李玄はここまで話すと、厳かな表情で言った。「古の天才たちは、皆金骨級を達成している！」
許炎は興奮して、目を輝かせながら尋ねた。「師匠、どうすれば金骨級に達することができるのですか？」
李玄は彼が目を輝かせ、興奮している様子を見て、少し呆れた。このバカ、まさか自分が金骨級に達せると思っているのか？
これは私の作り話なのに！
そこで重々しく言った。「心を落ち着かせ、焦ってはいけない！」
「はい、師匠！」
許炎は慌てて興奮を抑え、姿勢を正した。
「金骨級に達すれば、死後地中に万年埋もれていても、なお金色に輝き、その堅さは鋼鉄をも凌ぐ。しかし古今東西、金骨級に達した者は万人に一人もいない」
李玄は重々しく言った。「師が言う万人に一人とは、多くの天才の中での万人に一人という意味だ！」
「師匠、天才にも等級があるのですか？」
許炎は好奇心を持って尋ねた。
「当然だ！」
李玄は頷いて言った。「美人と同じだ。美人でも、美人の中に差があるように、天才も同じことだ！」
許炎は悟ったように言った。「わかりました。東河郡の春香樓で言えば、看板娘も珍しい美人ですが、花魁はさらに美しいようなものですね！」
李玄は奇妙な目つきで、心の中で歯ぎしりした。さすが金持ちの息子だな、遊郭通いが多いな？
俺も行きたいよ！
「師匠、これは例えだけです。弟子は行ったことがありません！」
許炎は李玄の奇妙な視線に気付き、すぐに恥ずかしそうに言い訳した。