第56章 無尽の山脈の話(追読希望)

京城は沸き立ち、群臣は震撼し、斉皇は宮殿の密室に隠れ、歯ぎしりしながら罵声を浴びせていた。

一方、斉王府は喜びに満ちあふれていた。

昨日斉王府に引っ越したばかりで、今日許炎が来訪し、郭榮山の心配は finally 解消された。

全身の力が抜けるほど安堵した。

斉皇が正気を失ったわけではない、自分の外孫があまりにも強かったのだ。

許炎は今、斉皇のことを良く思っていた。自分の外祖父と義兄弟の契りを結び、斉王に封じ、大閣老、太子上師に任命し、斉国において斉皇は名目上の第一人者に過ぎなかった。

彼の外祖父こそが、真の第一人者だったのだ!

郭榮山は外孫を見れば見るほど喜びが込み上げてきた。自分が可愛がってきた甲斐があった!

許炎が巨大な龍を手に持ち、空を飛んできた瞬間から、皇宮広場に一掌で龍形の溝を作り出した時から、群臣の世界観は完全に崩壊してしまった。

斉国都の民衆の世界観も同様に崩壊した。

この日、京城の書店にあった物語や伝説の類の本は全て売り切れ、価格も急騰を続けていた。

没落した書生は商機を見出し、自分が大切にしていた神人の男女の物語を千両という高値で売り出した。

一日で大金持ちになったのだ!

この日、遊び人たちは遊郭に行かず、悪事も働かず、皆家族に促されて高人を探し求めていた!

この事件で最も打撃を受けた大皇子も、自ら高人を探して師事しようとしていた。

斉国都では高人探しの熱狂が巻き起こっていた。

三皇子様は重い贈り物を持って斉王府を訪れ、師匠である郭榮山に拝謁した。

多くの大臣たちが、斉王府の敷居が擦り切れるほど訪れた。

最後に、郭榮山は外孫との家族の宴会があり、外客は謝絶すると言って、訪問してきた群臣を門前払いにした。

斉王府の書斎にて。

「父上、陛下は我が郭家の反乱を恐れないのでしょうか?」

郭雲開は心の疑問を口にした。

義兄弟の契りを結び、斉王に封じ、大閣老として群臣の長、さらには太子上師まで……斉皇は、郭家の反乱を恐れないのだろうか?

鎮國神威軍は今や彼が統率している。

今の郭家の実力をもってすれば、反乱を起こすのは容易いはずだ。

許炎一人でも十分だった。

郭榮山は平然とした表情で言った:「まさに我々の反乱を恐れているからこそ、この上ない地位を与えたのだ。」

「なぜですか?」